「割安」な状態から株価が半値になるのが下げ相場

本当は、PERやROEなど、ファンダメンタル分析について色々とお伝えしたいこともあるのですが、下げ相場にあるときにファンダメンタルについて書くと、読者の方をミスリードしかねません。もう少し相場が落ち着くのを待って書きたいと思います。

今はどこからどうみても上げ相場には見えません。下げ相場です。しかし、「専門家」の人たちは、相も変わらず投資情報サイト等で「◎◎株はPER〇倍で割安だから買い」などと情報発信しています。
単純にPERが低いから割安だ、というのはあまりにも短絡的な考え方であるということはここでは置いておきます(別の日に説明します)が、たとえ本当に割安であったとしても決して買い時とは言えないのが下げ相場なのです。

下げ相場では、「割安」な状態の銘柄が「超割安」になるまで下がります。時には「超激安」の状態にまで下がることもあります。

典型的なパターンは、1996年~1999年にかけての相場です。この時は、何年にもわたって下げ相場が続きました。株価が下がることで、当然「割安」になるのですが、それでも株価が下げ止まることはありませんでした。「割安」な状態から半値まで下がるのは当たり前、中には4分の1、5分の1にまで値下がりするものもありました。

本格的な下げ相場を経験したことのない方もいらっしゃると思いますが、割安な銘柄がそこからさらに半値以下になる相場と覚えておいてください。
下げ相場において下降トレンド途中の銘柄を「割安」と思って買い向かうと、大変な目に遭いますよ。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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