1月22日の日本株と来週の投資戦略

<金曜日の日本株>
1月22日の日本株は急反発し、日経平均株価は前日比941円27円高の16958円53銭と急騰しました。東証1部の値上がり銘柄1920に対し、値下がりはたったの8と、まさに全面高の相場となりました。21日時点での25日騰落レシオがリーマンショック時の水準をも下回っていましたから、来るべくして来た底打ちといえます。
私はといえば、ADA指数をみても分かる通り、株式の保有割合を極端に減らしているため、日本株急反発の恩恵はほとんど受けていません。ただ、金曜日のADA指数は2.4%と、木曜日の△8.6からは多少上昇してプラス域に浮上しました。
木曜日のNY株の上昇や、シカゴ日経平均先物の上昇からみて、さすがに底打ちだろうと、2度の失敗にも懲りずに直近で大きく上昇していた銘柄を中心に、3回目の底値狙いの買いを入れてしまいました。あとは昼休みに好業績銘柄で大きく値下がりしていたもの(当然まだ下降トレンドです)の買いや、上昇トレンドを維持している銘柄の追加買いなどをしたため、保有株は木曜日よりはだいぶ増えています。もちろん、相場全般はまだ下降トレンドのままですから、無理のない範囲内で、ということです。

<底値圏での買い手法と損切りのポイント>
底値圏にある銘柄の買い手法は、1月14日の「底値圏買いの具体的手法」に書いてある通りです。好業績銘柄で、底値からの反発がおおむね10%以内の銘柄を打診買いしました。底値を割り込んだら損切りとします(底値の1円下で逆指値の売り注文を入れておきます)から、損切りの場合の損失は10%前後です。
金曜日のADA指数が前日比10ポイントほど上昇していますが、このうちの8ポイント分ほどは、下降トレンド銘柄の底値買いです。もし、これらの銘柄が全て損切りとなった場合の投資資金全体に与えるマイナスダメージは、「8%×損切りの場合の損失率10%=0.8%」と想定されます。この程度ならリスクをとってもよいと判断し、13日と21日に失敗したにもかかわらず買いを入れました。22日の株価の動きを見ると、さすがに3度目の正直となったように思えます。

https://kabushiki-adachi.com/asset-management/底値圏買いの具体的手法/

<リバウンド狙いの難しさ>
今回のリバウンド狙いの大正解は21日の後場安いところの買いだったのですが、正直申し上げて、昼の高値から株価が急落する中買い向かうことは不可能だし高リスクです。そうなると、22日の寄り付きが買いのタイミングだったことになります。シカゴ日経先物がかなり上昇していましたから、寄り付きで買って安値割れで損切り、という戦略は十分成り立つと思います。ただ、結構高く寄り付いた銘柄も多かったため、もう少し低い価格で始まってくれればなお良かったのにと感じました。

<ここからの買いは損切りが大きくならないタイミングで>
22日の寄り付きや後場寄りに買えた方はひとまず底値買い成功といえますが、来週以降はどうすればよいでしょうか。私なら、上記のように、底値からの上昇率が10%程度のものであれば、損切りの際の損失率が10%で済むため来週買ってもよいと思っています。しかし、底値からの上昇率が20%にまで達しているものはもう遅いです。その場合、25日移動平均線超えを待って新規買いした方が、損切りのしやすさというリスク管理の面からは望ましいと思います。
忘れてはならないのは、日経平均株価も個別銘柄の大部分もまだ下降トレンドであるという点です。底値買いは無理のない程度にとどめ、本格的な買いは上昇トレンド転換後にするのが無難です。
来週は日銀政策決定会合があり、その結果により株価が乱高下することが予想されます。底値から20%上昇したが25日移動平均線からは10%下にある、といったような中途半端な株価位置での買いは慎むべきでしょう。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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