「爆買い」のピークアウトは株価が教えてくれていた

<ついに「爆買い」はピークアウトか>
先週末のネットニュースによると、象印マホービン(7965)の社長が中国人による「爆買い」のピークは過ぎたと話しました。
私は、中国人の爆買いの恩恵を受ける典型的な銘柄としてラオックス(8202)に以前から注目し、実際売買も行っていました。
ラオックスの株価を見ると、株価のピークをつけたのは7月24日の564円です。そこからは反発らしい反発もなく下落を続け、12月24日には201円まで下落しました。わずか5ヶ月で64%もの下落です。

<株価チャートはピークアウトを8月に教えてくれている>
確かに一時の勢いは収まったとはいえ、中国人の爆買い自体は高水準で推移しているのは事実でしょう。でも、どこでピークアウトしたかは、後になってみないと分からないのも確かです。
そして、ピークアウトがはっきりしたころには、関連銘柄の株価はすでに大きく下がってしまっていることも少なくありません。
でも、株価チャートは、それよりかなり前の段階でピークアウトすることが多いのもまた事実です。ですから、ラオックス株であれば、株価が25日移動平均線を明確に割り込んで下降トレンドへの転換濃厚となった8月に売却をすれば、400円台前半で売ることができましたし、私も実際そうしました。
高値564円近辺で売ることはできませんが、今の株価が200円近辺であることを考えると、十分高値圏で売ることができていると思います。
もちろん、爆買いがまた盛り上がりをみせてくる可能性だってあります。そのときには当然ラオックス株も再度上昇トレンドに転じる動きになるでしょうから、そのタイミングで再度買い直せばよいのです。

事実が世間に明らかになる前にそれをあらかじめ教えてくれる、それほどまでに株価チャートとは個人投資家の株式投資にとって重要なものなのです。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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