<8月16日の日本株>
週末8月16日の日本株は、朝方安く始まったもののその後は底堅い動きとなり、引けは小幅上昇に転じました。日経平均株価の終値は前日比13円16銭高の20418円81銭でした。
TOPIXは小幅高、マザーズ指数は小幅安でした。
値上がり銘柄1938に対し値下がり銘柄1688とほぼ拮抗、年初来高値更新銘柄は29、年初来安値更新銘柄は88でした。
ADA指数はマイナス5.7%となり、前日のマイナス6.6%からやや上昇しました。空売りの買い戻しや、急落した銘柄の損切り価格を定めての打診買いを少量行ったりしました。空売りの方がやや多いロング・ショート戦略を継続しています。
<いつ大きく下げてもおかしくないと認識しておくべき>
個別銘柄をみると、エレコム(6750)など高値更新となる銘柄もありますが、8割方の銘柄は下降トレンドです。また16日は、これまで順調に上昇していた銘柄が突然大きく下落するなど、個人的にはダメージが大きい1日となりました。
日本株はアメリカ株より明らかに出遅れていますが、これは言い換えれば日本株マーケットはアメリカ株マーケットよりも弱いことを意味します。
先週12日にはアルゼンチン株がなんと1日で38%の大暴落となっています。弱いマーケットから順に崩れ始めているような印象を受けます。
日本株は3月決算企業の四半期決算も出そろい、株価が急落するものも目立っていますが、それらに対し買い向かっている投資家も多いようです。またアナリストなど専門家も、そうした銘柄の割安度を指摘し、買いを推奨しています。
それに加え、日銀のETF買いも継続しているため、なかなか日本株はしっかりと下げてくれません。
しかし、リーマン・ショックのときもそうでしたが、一たび大きな下げが始まると、業績などどうでもよく、とにかく株を持っていることがリスクと投資家が考えるため、下げが下げを呼ぶ悪循環が止まらなくなります。下げの途中で「割安」と喜んで買っていた投資家が投げ売りするまで、株価下落が続きます。
今までは、株価が大きく下げたところを買い向かうことでその後株価が持ち直し、成功してきたかも知れませんが、それがいつまでも成功する戦略と思っていたら大間違いです。いつかはとてつもない下落に巻き込まれ、とてつもないダメージを受けることになります。
でも、25日移動平均線を割り込んだら売却、としておけば、株価がどんなに大きく下落しても生き残れます。本当のチャンスは、投資家のほとんどが屍になった焼け野原に訪れます。そうなるまで、何としても生き残らなければいけないのです。はっきり言って、今のような難解な相場環境で雀の涙ほどのプラスを出す努力をするのではなく、どんな大暴落が来ても必ず生き残るにはどうすればよいかを真剣に考えるべきなのです。
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10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。