思ったほど下げずー2019年8月15日の日本株

<今日の日本株>
8月15日の日本株は、昨晩のニューヨークダウ800ドル安の影響を受け、朝方大きく下げて始まりましたが、その後は下げ渋りの動きとなりました。
日経平均株価は朝方210184円85銭まで下がりましたが、終値は前日比249円48銭安の20405円65銭でした。
TOPIX、マザーズ指数も下落しました。

値上がり銘柄658に対し値下がり銘柄3116と全面安に近い展開、年初来高値更新銘柄は16、年初来安値更新銘柄は336でした。

ADA指数はマイナス6.6%となり、前日のマイナス4.2%から低下しました。下降トレンドに転じた保有株を売却するなどしたことが理由です。

 

<日経平均株価は直近安値を守ったが・・・>
個別銘柄をみると、神戸物産(3038)など高値更新となる銘柄もわずかにありましたが、年初来安値更新銘柄が300を超えていることからも分かる通り、下げ相場が続いています。

日経平均株価は8月初めの直近安値を割り込まずに少し反発していますが、年初来安値更新銘柄が300超の状況ですから、日経平均株価が安値を割らなかったことにはあまり深い意味はありません。

ただし、評論家・専門家などは日経平均株価のみをもって分析するケースが多いですから、「直近安値を割り込まなかった!日本株は意外と強い。ここから本格上昇も!!」などとコメントしていたとしても、個別銘柄に投資するのであれば無視して大丈夫です。

個人的に残念なのは、8月初旬のときも本日もそうなのですが、思いっきり下げて投げ売りやパニック売りが出尽くして、本格的な反騰、という動きになかなかならないという点です。

おそらく日銀のETF買いは続いているでしょうし、個人投資家も割安になったと喜んで株価が下げる中逆張りの買いを入れている人が多いようです。

しかし本当の大底というのは、割安になったとニコニコしながら買い下がっている個人投資家が青ざめるほどの恐怖心を伴った下げが来た後にやってくるのです。その時は上昇トレンド銘柄は皆無でしょう。

残念ながら今はそのような動きになっていません。今日の下げを持ってしても、上昇トレンドが崩れなかった銘柄が結構あります。つまり、阿鼻叫喚の全面安にはまだまだほど遠いのです。

前回アメリカの長短金利逆転、いわゆる逆イールドが発生したのは2007年、その後2008年にリーマン・ショックが起きました。
今回も同じような動きをたどるのであれば、本格的なクラッシュはまだ1年ほど先、ということになります。ではその間株価が順調に上昇するかといえば、国内外の景気動向が思わしくない現状ではそれも難しいと思います。

結局は上昇トレンド銘柄を保有し、下降トレンド銘柄を空売りするロング・ショート戦略で凌ぐしかないのかな、と思います。
空売りをしたくない方は小さめのポジションで上昇トレンド銘柄を保有すればよいですし、そもそも今の相場環境では利益は取れないのだから、いっその事何もしないで様子見に徹する、というのも悪くないのではないかと思います。

株価が大きく下落した後の反発初期場面でしっかりとキャッシュを投入できるようにしておくことができるのであれば、どの方法でもよいと思います。私は、ロング・ショート戦略が最もしっくりくるので、これを継続していく予定です。

 

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足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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