二度あることは三度あるー2019年3月26日の日本株

<今日の日本株>
3月26日の日本株は、前日の大幅安から打って変わって急反発となりました。日経平均株価の終値は前日比451円28銭高の21428円39銭でした。
TOPIXも2%を超える大幅高、マザーズ指数も上昇しました。

値上がり銘柄3128に対し値下がり銘柄676とほぼ大幅高の展開、昨年来高値更新銘柄は26、昨年来安値更新銘柄は7でした。

ADA指数はマイナス5.6%となり、前日のマイナス19.1%から大きめの上昇となりました。さすがに本日の大幅高を受けてたまらず空売りを買い戻しました。

<三度目の正直ならず・・・>
個別銘柄は、スシローグローバルホールディングス(3563)のように高値更新となるものもある一方、エン・ジャパン(4849)のように全然反発しない弱いものもあります。
ただ、昨日の下落以上に本日反発した銘柄も多く、まだ空売りで取りにいくのは時期尚早なのかもしれないな、と感じています。

これで今年に入り、日経平均株価が25日移動平均線を割り込んだのは3度目ですが、今回を含めて3度とも、即座に急反発しました。本日は25日移動平均線をまだ超えてはいませんが、株価の勢いからすると、明日以降超えてきてもおかしくない動きです。

さすがに「三度目の正直」になるかと思いましたが、そうならずに「二度あることは三度ある」となってしまいました。

私の投資手法は、株価のトレンドについていきますので、25日移動平均線を割り込んだ直後というのは、少なくとも保有株は売り、場合によっては空売りを仕掛けることにしています。

もし、25日移動平均線を割り込んだ直後にその行動ができずに株価がさらに下がった場合、保有株の含み損が膨らむためさらに売りにくくなり、塩漬け株が生じてしまうからです。

私は、株式投資の最大の失敗は、塩漬け株を作ることだと思っていますし、移動平均線を割り込んだ直後にすぐ反発することによって体制の立て直しや損切りを余儀なくされても、それは仕方ないと思っています。

とはいえ、今回まで3回とも急落後急反発というのは、やはり私のように先行きの株価を弱気に見ている投資家が多く、彼ら(私も含みますが)の空売りが溜まったところを逆に買いあげて踏みあげを誘っているように強く感じます。

では、今の相場環境でガンガン買いで攻めていく局面かといえば、全くそうは思いません。
例えば信用評価損益率は、昨年末の急落時はマイナス19%でしたが、3月15日時点でもマイナス14%までしか回復していません。日経平均株価だけみると昨年末からずいぶん戻ったように見えますが、個人投資家はこの間ほとんど儲かっていないということです。

私は、ガンガン強気で攻めていくのは、個人投資家のほぼすべてが利益を得られるような、「簡単な相場環境」のときに限ると考えています。信用評価損益率でいえば、マイナスがどんどん縮小し、プラス圏にまで達するような状況です。

今がそうした状況になっているかといえば、そうなっていないことは信用評価損益率をみても明らかなわけです。

25日移動平均線割れでの空売りの仕掛けが3回連続で不発におわっていますから、オオカミ少年のようにしか聞こえないかもしれませんが、これを繰り返していれば、いつか必ず大きな下落の初期段階で売れることにつながります。空売りまでしなくてもよいかもしれませんが、保有株は売却しておくべきです。個人的には、日経平均株価が再度10000円を割れてもおかしくないと思っていますので。

ひとたび大きな下落になれば、チマチマ稼いできた利益など、一気に吹き飛びますよ。

 

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足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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