今攻めてどうする?-2018年6月19日の日本株

<今日の日本株>
6月19日の日本株は大きく下落し、日経平均株価の終値は前日比401円85銭安の22278円48銭でした。
TOPIX、マザーズ指数も大きく下落しました。

値上がり銘柄592に対し値下がり銘柄3164とほぼ全面安、年初来高値更新銘柄は45、年初来安値更新銘柄は26まで増加しています。

ADA指数は33.9%となり、前日の63.6%からほぼ半分に急低下しました。保有株に25日移動平均線を割り込むものが続出し、それらを売却したことによるものです。

 

<今が「押し目」と言ってよいのか?>
個別銘柄をみると、GMOペイメントゲートウェイ(3769)など高値更新となる銘柄もありましたが、圧倒的に安値更新となる銘柄の方が多かったです。

今日の年初来安値更新銘柄数262は、5月30日の297に次ぐ水準です。つまり現在は、今年の中で最も値下がりしている時期であるといえるのです。

ただ、日経平均株価は本日をもって明確に25日移動平均線を割り込んだばかりで、日経平均株価を見る限りでは、それほど大きく値下がりしているわけではありません。

そのため、投資情報サイトなどで専門家は、「日本株は今が押し目買いのチャンス」と言ったりしています。

でも、果たして今は本当に押し目買いのチャンスといえるのでしょうか?私は全くそう思いません。

確かに日経平均株価はまだ高値圏にあります。でも、私たちが投資するのは日経平均株価ではなく、あくまでも個別銘柄です。

その個別銘柄のうち、262銘柄もが年初来安値を更新するほど値下がりしているのです。

押し目買いというのは、上昇トレンド途中の一時的な下落を狙って買うものです。現在の個別銘柄は8割方が下降トレンドにありますが、下降トレンドにある銘柄にはそもそも手を出さないのが私のやり方です。

もし買うなら、25日移動平均線を再度上回ったタイミングとすべきです。そして25日移動平均線を割り込んだら売ればよいのです。

25日移動平均線を割り込んで、年初来安値までも更新している銘柄を保有しているということは、ここからさらに株価が下がる可能性が高い銘柄を持っているということになります。
そんな銘柄ばかり投資していると、損失が膨らむ一方です。

今はどう考えても攻め時ではなく守り時です。ご自身の財産を増やそうと無理をすればドツボにはまるだけです。相場全体が上昇トレンドになり、利益を得やすい相場環境になるのを待ち、それまでは「いくら利益を得ようか」ではなく「いかにして損失を最小化するか」を最優先に、今の相場を乗り切るようにしましょう。

 

 

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足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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