本格的に株価が調整局面に入っています。日経平均株価、TOPIX、マザーズ指数などの株価指数だけでなく、ほとんどの個別銘柄も下降トレンドになっています。
こんなとき、巷では「投資のプロ」が、安くなった今が買いのタイミング、と新規買いを奨める光景が目に付きます。でも、私の判断は「ノー」です。
確かに、十中八九、そろそろ反発に転じても良いタイミングです。そうなれば、今のタイミングでの買いは、安値で買うことのできる良いチャンスとなります。
でも、残りの1割、2割で株価が大きく下がる可能性があります。そうなると、今のタイミングでの買いは、あっという間に含み損を抱えてしまうことになります。適切に損切りをできなければ、大きな損失を抱えることになってしまいます。
私の投資手法は、とにかく大きく負けないことをモットーにしています。ですから、十中八九成功する可能性があっても、残りの1割で大損する可能性のある今のタイミングで、下降トレンドにある銘柄を新規買いすることはしません。
ではどうするかといえば、下降トレンドの銘柄が上昇トレンドに転じるのを待ってから新規買いします。
上昇トレンドに転じるのを待ってから買えば、今より高く買うことになります。でも、本当に相場が悪くなれば、上昇トレンドに転じることなく、株価はさらに大きく下落していきます。
上昇トレンドに転じてから買う、としておけば、株価下落中の一時的な反発局面に手を出さずに済みます。
さらに、現時点から株価がさらに大きく下落すれば、結果的に今買うより、下げ切った後上昇トレンドに転じるのを待って買った方が、安く買えるということも十分にあります。
私はこのタイミングで、下降トレンドの銘柄を新規買いすることはしません。その選択は今回は誤りになるかも知れません。でも、長い目で見て、これが大負けしないために必要な選択です。私はこの方法で20年生き残ってきました。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。