今日の日本株(2017年4月4日)

<今日の日本株>
4月4日の日本株は、大きく値下がりし、日経平均株価は一時18703円63銭まで下落しました。終値は前日比172円98銭安の18810円25銭でした。TOPIXも下落、マザーズ指数は急落し、3%以上の下落となりました。

値上がり銘柄552に対し値下がり銘柄3125とほぼ全面安、年初来高値更新銘柄は44と低水準、対して年初来安値更新銘柄は385と昨日よりさらに膨らみました。

今日のADA指数は26.7%となり、昨日の47.1%から一気に20ポイント低下しました。25日移動平均線を割り込む銘柄が相次ぐ中、粛々と保有株の売却を進めていきました。

<下降トレンド転換の銘柄が続々と>
ニトリホールディングス(9843)、アリアケジャパン(2815)など、上昇を続ける銘柄もありますが、大多数の個別銘柄は下落しています。

スミダコーポレーション(6817)やペッパーフードサービス(3053)など、上昇トレンドが続いていた銘柄に25日移動平均線割れが相次いでいますし、リンクアンドモチベーション(2170)やメディカル・データ・ビジョン(3902)などのように、まだ25日移動平均線は割り込んでいないものの、株価が大きく下落して天井を付けたような形になっているものも数多く見受けられます。

また、今日の動きで特徴的だったのは、値下がり率が大きい銘柄がかなりあったことです。これは、一部で「投げ売り」が出始めていることを意味します。
もし今日の株価水準で下げ止まらない場合、この「投げ売り」により、株価の下落が加速する可能性が大いにあります。
この状況で、下降トレンドにある銘柄を新規買いするなど持ってのほかです。そんなことを繰り返していれば、いつか取り返しのつかない大ダメージを受けることになります。

<一瞬の判断ミスが命取りに>
株式投資を題材にしたマンガ「インベスターZ」にもかかれていましたが、株価の動きは「コツコツドカン」となることが多いです。

例えば奥村組(1833)の株価チャートをみると、2ヶ月間上昇を続けたものが、その後たった1週間ですべて帳消しになっていることが分かります。
また、三機サービス(6044)は、今年に入ってから3ヶ月間ずっと上昇トレンドを維持していましたが、昨日(4月3日)に明確に25日移動平均線を下回りました。これを踏まえ、今日(4月4日)の寄り付きに成行で売却すれば1407円で売ることができました。しかし売らずに保有を続けていれば、1280円まで値下がりしてしまったことになります。

下げ相場では、売却の判断が1日遅れただけで、利益の減少もしくは損失の拡大が非常に大きくなります。時にはあまりに下落スピードが速いので、どうすることもできず固まってしまう人もいます。
そんな時でも私は25日移動平均線を下回ったら売り、と淡々と客観的に実行しています。そうすれば、下落の初期段階で売却できますから、その後どんなに株価が急落しても全く怖くありません。

<一気に警戒モードに突入>
日経平均株価やTOPIXは、25日移動平均線を下回っていて下降トレンドにあるだけでなく、今年の最安値近辺まで下落しています。もし、ここからさらに株価が下がるとなると、大きな下落につながる可能性があります。現時点の株価水準で下げ止まらないとかなり危険です。
また、マザーズ指数は、高値を付けた後一旦25日移動平均線を割り込むもそこから反発、しかし先の高値を抜けずに再度反落して直近安値を割り込んでいます。これは典型的な天井形成パターンのチャートです。マザーズ指数も、現在の水準で下げ止まらなければ非常に危険です。
さらに、個別銘柄をみても、全体の80%以上が下降トレンドにあります。
私は本日一気にADA指数を27%まで落としましたが、これは上記のように、株価が大きく下がる入口に現在の日本株があるからです。
もし、ここで下げ止まり、個別銘柄が上昇トレンドになれば再び買い直せばよいわけで、今は「損失をこれ以上膨らませないこと」を最優先に動くべきです。

株式投資で大損する個人投資家は、今のような相場環境の時、無理をして大量の保有株を抱え込みます。その結果、株価急落で大きくダメージを受けてしまうのです。
どう考えても、今は守りを最優先にすべき時です。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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