株価が急落した東芝株を売る勇気

原子力事業関連の損失が数千億円規模に膨らむ見通しであることが判明した東芝(6502)の株価下落が止まりません。今日(12月28日)は80円のストップ安比例配分と暴落の様相を呈しています。

では、東芝株を保有していた場合、売るタイミングはなかったかといえばそんなことはありません。25日移動平均線を明確に下回った昨日(12月27日)がその唯一のタイミングでした。
ただ、昨日の株価が25日移動平均線を割り込んだことを踏まえて今日(12月28日)売ろうとしてもストップ安で売れませんでした。ここまでひどい状況はあまりありませんが、昼休みに株価をチェックし、明確に25日移動平均線を割り込んだことが確認できたらその日のうちに売却してしまうのが実践的な対応方法です。

なお、東芝株は昨日の時点ではいきなり25日移動平均線を10%以上下回って株価が推移していました。25日移動平均線を1~3%程度下回ったところで売却するのが通常ですが、今回の東芝のケースは違いました。
株価が急落すると、売却ないし損切りを躊躇してしまう個人投資家の方も少なくないと思いますが、ここは勇気を振り絞って売却すべきです。
25日移動平均線を割り込んだら売却すると一度決めたなら、そのルールは守る必要があります。どんなに急落したときもルールを守ってさえいれば、「大きな損失」は避けることができます。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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