<今日の日本株>
11月2日の日本株は、「トランプ大統領」誕生懸念からアメリカ株が下落、為替レートが円高に進んだこともあり大きく下落しました。日経平均株価の終値は前日比307円72銭安の17134円68銭でした。TOPIXも大幅下落、マザーズ指数は3%超の急落となっています。
個別銘柄をみても値上がり469に対して値下がり3113とほぼ全面安の状況です。年初来高値更新銘柄が39と激減する一方、年初来安値更新銘柄が23まで増加しており、一気に相場の環境は悪化しつつあります。
11月2日のADA指数は46.6%となり、前日の67.9%から大きく低下しました。これは株価急落を受けて保有株の多くが25日移動平均線を明確に割り込んだため、それらを売却したことによります。
<「日経平均株価はまだ上昇トレンドだから大丈夫」では決してない>
私自身、保有資産の含み益はほぼ横ばいの状況が続きましたが、今回の下げで一気に含み益が大きく減少しました。私の保有銘柄はマザーズ銘柄が比較的多いため、マザーズ指数に連動する傾向があります。なぜ日経平均株価が上昇するときには含み益がほとんど増えないのに、今日の下落時にはこれほど大きく含み益が減るのかと思いマザーズ指数のチャートをみて、納得しました。私の含み益の推移とマザーズ指数のチャートが非常に良く似ていたからです。
日経平均株価は今日の急落をもってしてもまだ25日移動平均線より上に位置していますから上昇トレンドは継続しています。専門家も、この事実をもって「まだ日経平均株価は上昇トレンドだから強気維持」などとコメントしています。
でも、日経平均株価が上昇トレンドだから、下降トレンドに転じている個別銘柄も強気で保有を続けてよい、などという理屈は通りません。日経平均株価が上昇トレンドにあっても株価が下落を続ける個別銘柄などいくらでもあるからです。
ADA指数が今日大きく低下しているのも、保有株の多くが下降トレンドになったことが理由です。そこには日経平均株価が上昇トレンドか下降トレンドかは関係ありません。
専門家・評論家の多くは自身で身銭を切って投資していません。株価が急落しても懐が痛まない彼らのコメントより、株価が急落した際対処を誤ると懐が痛む私の投資行動を参考にしていただいた方が、大ケガをしないためには有用だと思います。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。