日銀のETF購入内訳に大きな変化が!

9月21日の日銀の金融政策決定会合にて、ETFの買い入れ額に占めるTOPIX連動型の割合を増加させ、年額5.7兆円のうち2.7兆円にすることが決まりました。これにより、日経平均株価連動型のETFの買い入れ額は大きく減少すると思われます。

TOPIX連動型により多くの資金が投入された場合、恩恵を受けやすいのは時価総額の高い銘柄や銀行株と考えられます。実際、21日の銀行株は、マイナス金利深掘りの見送りの影響も多分にあると思いますが、TOPIX連動型ETFの買い入れ額増額にプラスに反応した要素もあるはずです。

日経平均株価をTOPIXで割った数値のことを「NT倍率」と呼び、この数値が上昇するほど日経平均株価の方がTOPIXより強い動きをしていることを表します。逆に下落するとTOPIXの方が日経平均株価より強い動きをしていることになります。
下記のリンクでも説明していますが、個人投資家にとって利益を得やすいのは、断然NT倍率が下落しているときです。
8月12日の日本株と今週の投資戦略

皆さんも、日経平均株価が大きく上昇するのに自分の保有株はさっぱり、という経験があると思います。これは日経平均株価採用銘柄ばかりに資金が流入した結果、NT倍率が上昇しているという背景があります。

もし、日銀がTOPIX連動型ETFの買い入れ額を増やしたなら、NT倍率は下落していくはずです。そうなれば、個人投資家が好む中低位株や銀行株などにも資金が流入し、それらの銘柄の株価の上昇が期待できます。ここから、NT倍率が継続的に下落していくか要注目です。

 

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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