今日の日本株(2016年8月29日)

<今日の日本株>
8月29日の日本株は、為替レートが1ドル=102円台まで円安となったことを好感し大幅反発となりました。日経平均株価の終値は先週末比376円78銭高の16737円49銭でした。TOPIXも大きく反発しましたが、マザーズ指数は小幅の上昇にとどまっています。
今日のADA指数は27.0%となり、先週末の22.7%より少し上昇しました。新たに新規空売りも多少実行しましたが、上昇トレンド銘柄への新規買い・追加買いの規模の方が大きかったためADA指数上昇につながりました。
今日の相場は日経平均株価が400円近く上昇したわけですが、決して全面高の展開にはなっていません。上昇銘柄2540に対し下落銘柄も944にのぼります。また、年初来高値更新銘柄が44に対し、年初来安値更新銘柄も25もあります。
私自身は、買い銘柄が上昇し、空売り銘柄が下落するという理想的な展開の1日でしたが、全面高の相場ではありませんから、銘柄選択を誤り、それをズルズルと持ち続けていると逆に損をすることにもなりかねません。

<個別銘柄ごとの強弱が明確に表れた1日>
今日ほど個別銘柄ごとの値動きの差が明確に表れた日はなかったのではないでしょうか。私が本ブログで再三指摘している、7月10日以降の二極化相場の逆流が、本日は誰の目から見ても明らかになっています。
つまり、7月10日ごろまで上昇を続けてきた内需系好業績銘柄が軒並み値を下げる一方、7月10日ごろを境に上昇に転じた銘柄群は大きく値を飛ばしています。
前者の例としては、寿スピリッツ(2222)、アリアケジャパン(2815)、セリア(2782)、ニトリホールディングス(9843)などです。また、クスリのアオキ(3398)、ツルハホールディングス(3391)、サンドラッグ(9989)など、ドラッグストア株が総崩れであった点は非常に興味深いところです。好業績のドラッグストア株に投資していたファンドや機関投資家からの売りが一斉に出たのかもしれません。
後者の例としては、太平洋セメント(5233)、ジェイエフイーホールディングス(5411)、ジェイテクト(6473)などが直近高値を超えて上値追いを続けています。大阪チタニウムテクノロジーズ(5726)も、もう少しで直近高値超えのところまで上昇しています。
日経平均株価が400円値上がりしようが、物色の圏外にある銘柄(内需系好業績銘柄など)は株価が下がってしまうという現実から目を背けてはいけません。今日値下がりした銘柄は、例え日経平均株価がここから上値を追う展開になったとしても、蚊帳の外に置かれてしまう危険性が高いと認識しておいた方がよいのではないかと思います。

<上昇トレンドに転じてから買っても遅くない>
アリアケジャパン(2815)は、高値からの下落率が30%に達し、寿スピリッツ(2222)に至っては高値から40%も下落しています。
もし、アリアケジャパン株を逆張りで6000円のところで新規買いをしたならば、すでに20%以上の含み損を抱えることになります。寿スピリッツ株を3000円で逆張り新規買いした場合は、すでに含み損が30%にもなっているのです。
こうした失敗の理由は、全て下降トレンドにあるにもかかわらず逆張りで買い向かってしまったことによります。株価が下げる途中の中途半端な位置で逆張り買いをするのではなく、株価が下げ止まって上昇トレンドに転じてから順張りで買った方が成功する可能性は高いですし、逆張りより安く買える場合も多々あります。
株価が下降トレンドにある間はどんなに好業績の優良銘柄でも手を出さない、これが大きな損失を未然に防ぐための心得です。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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