<今日の日本株>
8月16日の日本株は円高進行を嫌気して大きく下落し、日経平均株価は前日比273円05銭安の16596円51銭で引けました。TOPIXも大きく下落しましたが、マザーズ指数は逆に小幅高で引けました。
今日のADA指数は40.7%となり、前日の47.9%から低下しました。日経平均株価が直近高値を明確に抜けることができなかった中、値動きの良くない銘柄を外し、ここからのさらなる下落も警戒して少し身軽に構えることにしました。
<日本株はどの程度の円高まで耐えられるか>
東京市場が引けた後、ドルー円相場は一時100円割れとなりました。これはイギリスの「EU離脱ショック」時以来のことですが、当時と今とではだいぶ様相が異なっています。
EU離脱ショック時は為替レートの急激な円高により、一瞬だけ100円割れとなったという、いわば「パニック売り」の状況でした。しかし、今回はダラダラと円高が続いた結果100円割れとなっていて、マーケットには100円を割り込んだという達成感が感じられません。そのため、ここからさらなる円高に進んでもおかしくありません。
もう1つの違いは、日経平均株価の水準です。EU離脱ショック時は日経平均株価が急落し、15000円を一時割り込みました。しかし今回は16500円台であり、日経平均先物の夜間取引の値動きをみても大きく売り込まれるような動きは見られません。
これらの点を踏まえると、日本株は、1ドル=100円程度の円高までであれば十分に織り込んでいると見てよいでしょう。ただ、ここからさらに円高が進み、95円、90円などとなれば、さすがに日本株全体の下落は免れないと思います。
また、今はNYダウが史上最高値更新を続けるなど、アメリカ株が堅調な動きであることが、円高にもかかわらず日経平均株価が底堅い要因の1つです。今後円高とアメリカ株安が同時進行した場合、日本株は急落することも覚悟しなければなりません。
一方、円高がここからさらに進行した場合、二極化相場で活躍した内需系・好業績・高成長銘柄が再び上値を追う展開になるかもしれません。実際、昨年夏以降、円高が大きく進行する中で株価が堅調に上昇したのはほかならぬ内需・好業績高成長銘柄だったのです。
個人的にはジェイテクト(6473)をウォッチしており、もしこの銘柄が明確に25日移動平均線を割り込んでしまった場合は、低PERの外需系割安株の反発はとりあえず終了、という判断をする必要がありそうです。
現状は、1ドル=100円付近で踏ん張れるかどうかの分水嶺といった感じです。ここからどちらに動くかを決めつけることなく、25日移動平均線を上回っている日経平均株価や個別銘柄が明確に25日移動平均線を下回るかどうかを見極めたうえ、その時点で判断すればよいでしょう。もちろん、今は資金の大部分を投入するような勝負の局面ではありません。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。