今日の日本株(2016年6月22日)

<今日の日本株>
6月22日の日本株は反落となり、日経平均株価は前日比103円39銭安の16065円72銭で終えました。マザーズ指数は3%弱と、やや大きめの下げとなりました。
個別銘柄で見ると値下がり銘柄が圧倒的に多く、全面安に近い展開でした。また、新興市場銘柄を中心に、指数以上に大きく下落しているものが目立ちました。ここ数日の日経平均株価とマザーズ指数の株価チャートを比べても、マザーズ指数、つまり新興市場銘柄の戻りが鈍いことが良く分かります。
今日は日銀が352億円のETFを買い入れていますが、ETFを通じた資金流入の恩恵を受けるのは東証1部銘柄であり、新興市場銘柄には日銀のETF買い入れ資金は入ってきません。このあたりに、新興市場銘柄の弱さの理由があるように思います。つまり、日銀のETF買いがなければ、今日の日本株はかなり弱かったのではないかと想定されます。
今日のADA指数はマイナス17.1%と、昨日のマイナス9.2%からマイナス幅が拡大しました。これは、直近で上昇トレンドに転じた銘柄が再度下降トレンドに転じたために売却したり、新たに下降トレンドとなった銘柄を売却ないしヘッジ空売りするなどしたためです。

<予想すべきではないのはイギリスの国民投票の結果だけではない>
先日、イギリスの国民投票の結果を予想すべきではなく、その後の株価の動きに応じて臨機応変に対応すべきと書きました。この点について補足します。
そもそも予想はそうそう当たるものではなく、下手に予想をすると外れた場合大変な目を見ますから、予想などすべきではないというのが私の持論です。
そして、今回のイギリス国民投票の結果を予想すべきでないのはもちろんのこと、国民投票の結果を受けて株価がどう動くかも予想すべきではない点には注意してください。
市場関係者の間では、あるコンセンサスができつつあるように思います。それは、「EU離脱なら株価下落」、「EU残留なら株価上昇」というものです。でも気をつけていただきたいのは、このコンセンサスこそが、国民投票の結果と株価の上下の関係性を半ば決めつけてしまっているという点なのです。
果たして、本当にEU離脱なら株価は下落するのでしょうか?そして、EU残留なら本当に株価は大きく上昇するのでしょうか?
さらには、EU離脱ないし残留による株価の反応が一瞬で終わり、その後逆方向に行くという可能性も否定できません。例えば、EU残留決定の報が流れ、日経平均株価が一気に500円高になるものの、そこからの買いが続かず終値では逆に値下がりしてしまった、というイメージです。

<コンセンサスほど当てにならないものはない>
私は、この市場参加者のコンセンサスほど当てにならないものはないと思っています。今回のこのコンセンサスを鵜呑みにすると、「EU残留が決定」と分かったらすぐに株を大量に買ってしまいかねません。しかしそれは非常に危険な行為なのです。もしEU残留が決定しても、株価が上昇しなかったらどうするのですか?買った株を早めに処分しなければ塩漬け株になってしまいます。
そこで、私であればEC残留となった場合でもEC離脱となった場合でも、その後の個別銘柄の株価のトレンドを最重視します。新たに上昇トレンドに転じる銘柄が出ればそれを新規買いすればよいですし、保有株が下降トレンドに転じたならば速やかに売却すればよいのです。
株価のトレンドにしたがって売買をしていれば、イギリスの国民投票の結果など大して気にならなくなるものです。もちろん、株価が大きく変動する可能性も大いにあるわけですから、あまりポジションを持ちすぎないようにしてその日を迎える方がリスク管理の観点からはよいでしょう。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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