<今日の日本株>
月曜日の大幅下落を受けてリバウンドの有無に注目が集まった6月14日の日本株ですが、終日弱い動きが続き、日経平均株価は前日比160円18銭安の15859円00銭で引け、16000円の大台を割り込みました。悲惨だったのがマザーズ指数で、前日比115.13ポイント安の999.91と、なんと1日で10%以上の暴落となり、一気に1000の大台割れになってしまいました。
ADA指数はマイナス17.4%(前日はプラス8.3%)と、ついにマイナス圏に突入しました。昨日の時点ではまだ上昇トレンドを維持できていた銘柄はかなりあったのですが、今日になってその多くが25日移動平均線を明確に割り込んでいますので、かなりの保有株を売却ないしツナギ売りしました。保有株がだいぶ少なくなったので、膨らませすぎた空売りも合わせて減らしたくらいです。もし空売りを減らさずにそのまま維持していたら、ADA指数はマイナス25%くらいになっていたと思います。
<主要指数全てが直近安値割れ>
今日の下げをもって、昨日GWの直近安値割れとなっていたTOPIXやJPX日経400に続き、日経平均株価とマザーズ指数も直近安値割れとなりました。これで、主要指数は全て直近安値割れとなっています。
直近安値割れとは何を意味するかと言えば、下降トレンドが継続していることを表します。株価が下がるときというのは、直近安値を割り込みながら、右肩下がりに下落していくからです。
昨日は、まだまだ上昇トレンドを維持できていた銘柄もかなりあったのですが、それも今日の下落でかなりトレンドが転換してしまいました。現時点で上昇トレンドを維持できている銘柄は1割にも満たないでしょう。もしかしたら5%もないかもしれません。
<完全に壊れてしまった日本株>
非常に怖いなと思うのは、通常、日銀金融政策決定会合といった大きなイベントを控えて、買いの手も売りの手も引っ込むはずが、日銀金融政策会合直前にもかかわらずこれほどまでに広範にわたって大量の売りが生じているという点です。まるで、日銀金融政策決定会合の結果が事前に分かっているのかと思いたくなる株価の動きは、とても気味が悪いものです。
マザーズ指数を代表する銘柄であるそーせいグループ(4565)の本日の暴落をみると、日本株は完全に壊れてしまったという思いを強く持ちます。
年初来安値銘柄をみても、今日は341銘柄に達していて、指数こそ2月12日の安値からまだかなり上に位置するものの、個別銘柄ベースで見れば、あの2月12日にかけての急落時につけた安値をすでに下回っている銘柄が300銘柄以上も存在しているのです。この事実を持ってしても、警戒モードに頭が切り替わっていないのであれば非常にまずいです。昨日の時点で潮目が変わり、株価は明確な下降トレンド入りとなった可能性が高いとしましたが、今日の株価下落、特に今まで強かった銘柄群の大幅下落を目の当たりにして、それがほぼ確信に変わり、最大級の警戒モードとすべきと感じました。
一度株価が大きく下押しした場合、よほどのことがない限り、再び上昇基調に転じるまでかなりの時間を要します。リバウンド狙いをしたい方はご自由にしていただければよいと思いますが、私はこの局面でリバウンド狙いの買いは一切行いません。株式市場でこれから先何十年も生き残りたいのなら、安易なリバウンド狙いは慎むべきと私は思います。今、この局面でリバウンド狙いの買いや逆張りの買いを推奨する「専門家」「プロ投資家」を私は決して信用しません。身銭を切って投資しているなら、この局面でトレンドが下向きの銘柄に買いを入れるなど、自殺行為に等しいからです。
思えば1月中旬に株価が大きく下げたとき、「専門家」「プロ投資家」は逆張りの買いを推奨していました。しかしそこからさらに大きく下げ続け、2月12日にようやく底打ちしたことを忘れてはいないでしょうか。もし、リーマンショック級の株価下落が起こった場合、今年1~2月の下落の3倍の規模の株価下落となっても決しておかしくありません。
皆さんがどの専門家・プロ投資家を信用して株式投資をしているかは分かりませんし、私のことを信用してもらえているかどうかも分かりません。しかし、私は失敗したら自分の財産が減ってしまうというプレッシャーを常に持ちながら身銭を切って実際に投資をしているということ、昨日と今日とで時価ベースでの投資資産を4%も減らしながらも必死に保有株を売却し、これ以上株価が下がっても損失が生じないようにしたこと、この方法で過去の株価暴落局面を全て乗り切ってきたこと、この事実だけはお伝えしておきたいと思います。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。