今日の日本株(2016年4月14日)

<今日の日本株>
4月14日(木)の日本株は大幅続伸となり、日経平均株価の終値は16911円05銭と、529円83銭の大幅高で引けました。TOPIX、マザーズ指数も上昇しましたが、上昇率は日経平均株価が最も高く、先物主導での上昇の感があります。実際、上昇銘柄2893に対して下落銘柄も628あり、昨日に引き続き東証1部に投資資金が向かったものと思われます。
今日のADA指数は56.3%となり、前日の40.6%から大きく上昇しました。上昇トレンド転換銘柄への買い、空売り銘柄の買い戻しをさらに進めたことによるものです。空売り銘柄は大部分のポジションを解消しました。

<果たしてここから順調に上昇するのか?>
今日の大幅高により、日経平均株価やTOPIXは25日移動平均線を明確に超えてきました。株価指数自体も上昇トレンドとなれば、強気で攻めて行くのがセオリーです。
ただ、2日間で日経平均株価が1000円ほど上昇するなど、上昇スピードが急なので、少しずつ調整を入れながらの方が望ましいです(急上昇が続くと買いエネルギーを使い果たし上昇が早く終わってしまうため)。
日経平均株価の最大のポイントは、直近高値である3月14日の17291円35銭を明確に抜けるかどうかです。もしここを抜けてくるような場合は、ほとんどの銘柄が上昇トレンドになっているでしょうから、買いポジションを増やして攻めて行くことになります。
もしそうなれば、ADA指数も70%どころまで上昇することになりそうです。
もちろん、日経平均株価が直近高値を抜くかどうかなど分かりませんから、現時点では上昇トレンドにある銘柄や上昇トレンドに転換した銘柄を買い、保有を続けるのみです。

<鉄鋼株の大幅上昇が意味するもの>
私の約400銘柄のウォッチリストの中には鉄鋼株も入っています。この鉄鋼株に非常に興味深い動きが見られました。ここ1週間の間株価が急上昇し、なんと直近高値を上回っているのです。
例えば神戸製鋼所(5406)の日足チャートと週足チャートをみていただくと、1年以上のも間、直近高値を上回ることなく株価が下落を続けてきました。それが足元の株価上昇により、久しぶりに直近高値を上回ってきたのです。
神戸製鋼所も、新日鐵住金(5401)もジェイエフイーホールディングス(5411)も同様に直近高値を更新しています。この鉄鋼株の大幅上昇には大いに考えさせるものがあります。
鉄鋼株は景気敏感株であり、足元の業績はかなり悪いです。ファンダメンタルで買われる要素はまずないはずですが、それなのに買われているということは、今後の景気回復を株価が織り込みにきている可能性を考えなければなりません。
今のところ、空売りの買戻しによる上昇である可能性が高いとは思っていますが、上昇相場の始まりは空売りの買い戻しであることが多いのもまた事実です。
もしこの動きが相場全体に広まれば、好業績の成長株よりも景気敏感株に乗った方がパフォーマンスがはるかに良くなるはずです。私も昨日少しだけ鉄鋼株と海運株を買ってみましたが、上昇トレンドに転換した景気敏感株は足元の業績には目をつむって買いに入るのも1つの戦略です。
ここまでさえない動きが続いていた景気敏感株の今後の動向には要注目です。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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