今日の日本株(3月18日)と来週の投資戦略

<今日の日本株>
3月18日の日本株は大幅下落となり、日経平均株価は前日比211円57銭安の16724円81銭と4日続落となりました。一方、マザーズ指数がプラスで引けるなど、新興市場銘柄を中心に値上がり銘柄も相当数ありました。
今日のADA指数は41.8%となり、前日の68.7%から急激に低下しました。この理由は後述します。

<日本株「一人負け」の構図>
アメリカ、ヨーロッパだけでなく、他のアジア諸国も株高になっているにもかかわらず、日本株だけは大幅下落という情けない状態です。この一番の原因は円高であり、ドルー円相場は一時110円台に突入しました。
私が最も危惧しているのは、こんなにアメリカ株が堅調な値動きなのに日本株がこれでは、アメリカ株が下落に転じたら日本株はいったいどうなってしまうのか?という点です。
また、もう1つ気になる点は、外国人投資家の売り越しが、今年に入って途切れることがないという事実です。投資主体別売買動向によれば、外国人投資家はかれこれ10週連続の売り越しです。2月12日の底値からのリバウンド局面であっても外国人投資家は日本株の売り越しを続けていたのです。

<外国人が日本株を売り続けているという衝撃>
私は、日本株の本格的上昇には、外国人投資家の大量買いが必要不可欠だと思っていますが、ここ1ヶ月の反発局面も外国人投資家が売り続ける中でのものであったことにショックを覚えています。外国人投資家の売りに対して信託銀行の買い越しが続いていることから、買い手は日銀や政府系資金、年金資金が中心と想定されます。残念ながら、こうした国内の年金系資金は、上値を追ってどこまでも買い続けるということはしません。安値では買うが、高値では買ってきません。
こうしたことから、私は現状の外国人投資家が売り越している状況が続く限り、日本株の大幅上昇は見込めないと判断しました。
もちろん、日本株全体が軟調でも、強い値動きをする個別銘柄は少なくありません。ですから、個別銘柄ごとに新規買い・保有継続の可否を判断します。今日のADA指数41.8%というのは、しばらく持っていても良いと判断した強い銘柄も結構あるのだ、という意味にとらえていただいても良いかもしれません。

<どう転んでも良いようにしておく>
正直に申し上げて、ADA指数が70%を超えるような状況というのは、ほぼ100%に近い強気を表しています。しかし、ここ数日間の日経平均株価および個別銘柄の値動きを見る限り、100%の強気ではかなり危険であると感じました。ADA指数70%超を維持した状態で株価が大きく下落した場合、2月12日以降積み上げてきた利益の全てを吹き飛ばしかねないと思ったからです。
そこで、少々の株価下落では下降トレンドに転じないような強い銘柄のみを残し、また保有金額が多いと思われる銘柄は3分の1とか4分の1を売却し、今後株価がどう転んでも対応できるよう、少し身軽なポジションにしておこうと思ったのが今日の相場です。
今後の株価の推移次第では、再び買いポジションを積み増すこともあるかも知れませんが、明確な方向性が見えるまでは、ADA指数を40%~50%程度に抑え、無駄に損失を膨らませることは避けたいと考えています。
私は、実は日経平均株価が2月12日の安値を今年中に下回る可能性も大いにあると考えています。2月上旬の世界同時株安の原因となった事象は、何一つ片付いていません。リーマン・ショックの時のように、いつ懸念事項として蒸し返され、株価の急落を招いてもおかしくありません。ADA指数70%超えは、まだ株価の戻りは続くと踏んでのものでしたが、木曜日と本日金曜日の個別銘柄の株価の動きをみて、戻りを積極的に取りに行く局面は終わった可能性が高いと判断しました。その意味では、本日をもって、ほぼ100%に近い強気からかなりトーンダウンし、守りもある程度重視したスタンスに変更したということです。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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