<2月5日の日本株>
2月5日の日本株は、日経平均株価が前日比225円40銭安の16819円59銭と続落、17000円を割り込みました。ここ何日かは、アメリカ株に比べ、日本株の弱さが際立っている感があります。
私は、2月4日の投稿で「守り重視」と宣言したとおり、保有株売却を進め、かつ一部空売りを実行した結果、ADA指数は△8.4%(前日は12.7%)と、マイナス領域に突入しました。
現状は、上昇トレンドにある銘柄の買いと、下降トレンドにある銘柄の売りを組み合わせたロングショートの状態となっています。
<上昇のイメージがどうしてもつかめない相場>
上記のようにADA指数は大きく低下したわけですが、この理由の1つが、木曜日まで上昇トレンドを維持していた銘柄の多くが、金曜日になり急落したため売却ないしツナギ売りをしたことによるものです。
強かった銘柄まで崩れてくるということになると、もはや何も持つことができない状態になってしまいます。強い銘柄に集中的に資金を投じても、その銘柄自体が崩落してしまえば、結局多額の損失を被ってしまいます。
確かに、各種テクニカル指標をみると、底値圏にあるのは確かなのです。25日騰落レシオは再び63.0まで低下してきました。通常ならすぐに反発局面に入ってもおかしくないタイミングです。しかし今回は、1月12日に57.8、21日に53.8、そして2月5日に63.0と、大した反発もないまま60近辺に1か月で3回も達しています。私が記憶する限り、このような状況は見たことがありません。
<勝ちにくい相場で勝ちにいかない>
足元の日本株は、どう考えても勝ちにくい相場です。底打ちしたかと思えばまた下落、さすがに今回は底打ちだろうと思っても少しするとまた反落と、浮上への道筋が見えてきません。極めつけは、日銀のサプライズ「マイナス金利導入発表」前よりも現在の方が円高・株安になってしまっていることです。
ということは、株価急騰をもたらすイベントも当面ない状況で、ヘッジファンドの売り仕掛けもやりやすくなっていると考えるべきでしょう。
繰り返しになりますが、テクニカル面だけみれば、どう考えても底値圏にあります。でも、株価はテクニカルではなく「需給」で動きます。原油価格低迷によるオイルマネーの日本株売り、それに乗じたヘッジファンドの売り仕掛け、さらに「セリング・クライマックス」の感触が全くないままのダラダラとした株価の下げ・・・、売りが買いより多ければ株価は当然ながら下がるのです。
相場には勝ちやすい時期と勝ちにくい時期があります。勝ちにくい時期に無理に勝ちに行こうとすると、返り討ちにある可能性が高まります。実際私も何回か仕掛けた結果、すべて撃沈しています。
こうなれば、勝ちやすい時期、つまり日経平均株価も個別銘柄も上昇トレンドに転じる状況になるまでは、「勝ち」ではなく「負けない」ことを最優先にした投資行動を実行するべきだと思います。大きく負けないでいれば、今後必ず来るチャンスに乗れるのですから。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。