底値圏買いの具体的手法

私は下降トレンドにある銘柄をリバウンド狙いで新規買いすることは基本的にはしませんが、底打ちから少し反発したタイミングで底値圏狙いの買いを実行することはたまにあります。
例えば、12日の最安値が970円、終値が1000円、25日移動平均線が1200円の銘柄があったとします。本来は、25日移動平均線である1200円を超えてこなければ新規買いはしません。
しかし、売られすぎを示す騰落レシオなど各種テクニカル指標、朝の寄り付きの気配などからみて、底打ちの可能性が高いと判断したなら、本日13日に下降トレンドにもかかわらずこの銘柄を買ってしまうのです。
もちろん、下降トレンドの銘柄ですからここからさらに株価が下落する可能性もあります。そこで、損切り価格をしっかり決めておきます。私なら、12日の安値970円を割れたら損切りとします。
例えば、13日の寄り付きが1030円だったとしたら、損切りとなった場合の損失率は10%未満で収まりそうです。私は、損切りの際の損失率は極力10%未満に抑えるようお勧めしています。損失を最小限に抑えるのが損切りであるのに、損切りの際の損失率が20%、30%となるようでは本末転倒になってしまうからです。

ところで、13日に買うことができないまま株価が上昇、15日には株価が1170円にまで上昇してしまったとします。25日移動平均線は変わらず1200円であるとして、この段階で新規買いすることは避けるべきです。
なぜなら、直近安値970円割れを損切りとした場合の損失率は20%近くに達してしまうからです。
底打ちから反発して移動平均線にかなり接近したような場合は、無理に底値圏で買おうとはせずに、株価が移動平均線を超えて上昇トレンドに転じてから買えば十分です。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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