今日の日本株(2016年1月8日)と来週の投資戦略

<今日の日本株>
1月8日の日本株は日経平均株価が69円38銭安の17697円96銭と5日続落となりました。年初からの5日続落は戦後初めてのことのようです。今日は一時プラス圏になったものの、結局は押し戻されてしまいました。為替レートや海外の株式市場の動向など、外部環境に左右されやすい、主体性のない動きといえます。
今日のADA指数は11.5%となり、昨日の13.2%からさらに低下しました。下降トレンド転換濃厚の銘柄の売却を進めた結果です。私は日々400銘柄ほどの株価チャートをみていますが、90%以上の銘柄が下降トレンドにある状況です。

<来週の投資戦略>
今は、「陰の極」に近い状況であることは確かです。例えば相場全体の過熱感をはかる騰落レシオは、6日平均で39.7%まで低下、25日平均では62.9%まで低下しています。25日平均の62.9%というのは昨年9月24日の64.4%を割り込み、アベノミクス相場以降では最低の水準です。
ですから、きっかけ1つで株価はいつ反発してもおかしくありません。一方、上にも下にも行き過ぎるのが相場の常でもあります。
もし、多少の損失覚悟で安値を拾いたい、というのであれば、底打ちから少し反発した局面で買い、底割れで損切りという戦略が考えられます。
私は下降トレンドの銘柄にはあまり手を出したくありませんので、私なら個別銘柄のうち、今後いち早く上昇トレンドに転換した銘柄(=相対的に株価の動きが強い銘柄)につき、少し厚めに新規買いを行おうと考えています。
直近で大きく株価が下がった銘柄はそれなりのリバウンドも期待できますが、よほどよいタイミングで底値買いができないと、思ったほど取れないのがリバウンド狙いの難しいところです。日中株価を見ることができない個人投資家であればなおさらです。
確かに安値で拾えるチャンスは到来しつつあるものの、ピンポイントで安値を狙うのではなく、上昇トレンドに転じた銘柄を順次拾っていく、というスタンスでどっしり構えていた方が気分的には楽ではないかと思っています。安値で拾ったつもりがさらに株価が下落する可能性だって残っているからです。

<テーマ株のここからの飛び乗りはリスク高>
本日は材料が飛び出したインフォテリア(3853)やさくらインターネット(3778)がストップ高となり、他にフューチャーベンチャーキャピタル(8462)やリアルワールド(3691)もストップ高になるなど、足元で株価が高騰しているテーマ株が非常に強い値動きでした。
しかし、こうしたテーマ株を今から新規買いするのはかなりリスクが高い行為です。株価がここまで急上昇すると、「もっと上がるかも」とつい飛びついて買いたくなるのが人間の心理ですが、いつはしごを外されてもおかしくありません。現に、フューチャーベンチャーキャピタルが12月に直近高値をつけたときは、直後から株価は急落、わずか4営業日で50%近くも値下がりしたことがあります。このときは、その後株価が持ち直したため難をのがれていますが、それは結果論です。一旦天井をつけると、株価は50%にとどまらず70%、80%と大きく下がってしまいかねません。
せっかく相場全体が売られすぎの状態にあり、個別銘柄を安値圏で買うチャンスが到来しそうなのですから、高値波乱の恐れが高まっているテーマ株をここから無理に狙う必要もないのでは、と思います。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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