<今日の日本株>
1月7日の日本株は大幅に下落、日経平均株価は前日比423円98銭安の17767円34銭と4日続落となりました。一方マザーズ指数は昨日とほぼ変わらずで引け、新興市場銘柄には元気なものが少なくありませんでした。とはいえ、しばらく物色の中心だったフィンテック関連銘柄はじめ、先駆して上昇した銘柄に息切れ感が目立つ感じです。
本日のADA指数は昨日の25.8%からさらに大きく低下して13.2%となりました。これは9月下旬以来の低水準です。本日も上昇トレンドだった銘柄の多くが25日移動平均線を割り込んだために保有株の売却・ツナギ売りを進めたのと、大きく上昇した新興市場銘柄を順次利食い売りしたためです。
<欲張らずに利食いすることも大事>
直近まで大きく上昇した新興市場銘柄は、まだ上昇トレンドにあることは事実です。しかし、新興市場銘柄はひとたび天井を付けると、あっという間に急落することが少なくありません。私は、底値から3倍とか5倍になった銘柄がさらに上値を追う可能性より、天井をつけ大きく下落する可能性の方が高いと踏んで、8割方は利食い売りを済ませました。
もし、ここからさらに日本株だけでなく世界同時株安の様相を見せた場合、足元で強い動きを見せている新興市場銘柄もいずれは息切れしてしまいます。そうなると、ストップ安が2日、3日続くことだって珍しくありません。そうなってしまうよりは、現時点での上昇で満足して利食いする方が確実だと思ったわけです。
日経平均株価や主力株は大きく下げていますが、私は幸いなことにテーマ株による利益がそこそこ得られたため、今回の株価急落でも利益(+含み益)の減少はほんのわずかで済みました。でも、そんなラッキーがなかったとしても、下降トレンドに転換した銘柄から順次売却していけば、株価がここまで大きく下落しても、最小限のダメージで乗り切ることができたはずです。
<売られすぎの感があるのは確かだが>
日経平均株価は昨年末終値から1266円下落、昨年12月1日につけた戻り高値からは2245円下落しています。さらに、日経平均株価の25日移動平均線からのマイナスかい離率は6.7%となっています。
一般に、マイナスかい離が8%に達すると反発近し、10%に達すればかなりの高確率で反発するとされています。
そのため、「人の行く裏に道あり花の山」という相場格言を持ち出し、逆に今は買いのチャンスだとアドバイスする専門家も少なくないようです。
でも、ここからさらに株価が急落する可能性だってゼロではありません。リーマンショック級の下落がくれば、今の段階で新規買いしたらとてつもないダメージを受けてしまいます。
今はほとんどの銘柄が下降トレンドにあります。目先の反発の有無はあまり気にせず、欲しい銘柄が上昇トレンドに転じたら買えばよいのです。今年は攻めより守りが重要な1年になると年初から実感しています。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。