<今日の日本株>
1月6日の日本株は、日経平均株価が前日比182円68銭安の18191円32銭と続落しました。今日は新興市場銘柄にも軟調なものが多くマザーズ指数も2%安、さらには昨日まで大きく上昇していたフィンテック関連銘柄をはじめとしたテーマ株も、大きく下落したり伸び悩んだものが目立ちました。
こうした流れを受けて、ADA指数は25.8%(前日は39.2%)と大きく低下しました。これまで上昇トレンドを維持していた銘柄が続々と25日移動平均線を割り込んでいるために売却・ツナギ売りを進めたこと、高騰したテーマ株について保有株の一部売却を進めたためです。
<「数年で5倍狙い」が「1ヶ月で4倍」になったなら有り難く利食いする>
私は、せっかく個別銘柄に投資するならば「テンバガー」を目指すべきだと思っています。つまり10倍になる可能性のある銘柄に投資するということです。
しかし、10倍になるまでの期間は通常数年はかかります。もし、数年で10倍を目指していた銘柄が突如テーマ株となって急騰し、1ヶ月で数倍になったならば、ある程度はその時点で利食いをしてしまうべきだと思います。数年かけて10倍にするつもりが1ヶ月で3倍・4倍になったのなら、その銘柄は有り難く利食いして、他の「テンバガー候補」に資金を移す方が効率的です。
私の保有株の中に、数年でテンバガーは難しいものの5倍くらいはいけそうだと思って投資した銘柄が突如テーマ株として急騰しているものがあります。上昇スタートから1ヶ月もしないうちに株価は4倍以上になりました。私は今日もこの銘柄の当初保有株数の25%を利食い売りしました。ここまでのトータルで、当初保有株数の80%は利食いを済ませました。数年で5倍を目指していたものが1ヶ月で4倍になったのですから、これで満足して次の銘柄を探すべきです。これが限りある投資資金を効率的に活用するための秘訣です。
<売買高急増とともに伸び悩んだテーマ株>
昨日ラクーン(3031)の売買高が4000万株となり、売買高ランキング3位に躍り出た話をしました。これが今日はさらに売買高が膨らんで約9000万株、ランキング2位となりました。
ラクーンの発行済み株式数は1800万株しかありません。これが今日1日で9000万株も売買高がありました。つまり、1日で発行済み株式が5回転するような、頻繁な売買が繰り返されたのです。はっきり言って、これは異常な売買高です。
そして注意すべきは、ここまで異常な売買高があった本日、高値から100円以上(15%)値下がりして引けていることです。これで、高値でかなりの買いシコリが生じてしまったことになります。もちろん、活況な売買が続けば再度上値を追っていくこともありますが、可能性という点でいえば、今後株価が今日の高値を超えて上昇するのはかなりしんどくなったと思います。
今は、これまで強かった銘柄が次々と下降トレンド転換している弱い相場つきとなっています。今は決して無理をする場面ではありません。下降トレンドに転換した投資対象銘柄はいったん売却したうえで株価チャートを日々ウォッチし、再度上昇トレンドに転じるのを待つ、そして急騰した銘柄はしっかりと利食いを進める、それが正解だと思います。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。