<今日の日本株>
2016年の日本株は、年明け初日からなかなかパンチの効いた動きになりました。日経平均株価は昨年末比582円73銭安の18450円98銭と大幅に下落し、昨年12月15日につけた直近安値18562円51銭を割り込んでいます。チャート上は、日経平均株価の下落はまだ終わっていないことになります。ドルー円相場も119円台に突入、中国株も急落と、外部環境の悪化にも十分注意が必要になっています。
とはいえ、今日の値下がり銘柄数2701銘柄に対して値上がり銘柄数は829もあり、日経平均株価の急落の割には個別銘柄の動きはそこまでひどくなかった印象があります。
ファーストリテイリング(9983)の株価が大きく下落していることからも分かるように、今日は先物主導で「日経平均株価」が売られたという感じです。今週末にはSQの精算日が控えていますので、先物・オプション業者が自身のポジションを有利にするための売り仕掛けがあったものと思われます。TOPIXより日経平均株価の値下がり率の方がかなり大きいですが、このような日は先物主導により日経平均株価が売り仕掛けられたためであることが非常に多いのです。
<個人投資家の感覚は指数急落の割にはそれほどひどくないのでは>
現に、個人投資家の相場感覚に近いと思われるマザーズ指数は朝方の高値から大きく押し込まれたもののプラスで引けています。私も今日は新興市場銘柄に値上がりが多かったこともあり、損益はプラマイゼロか若干のプラス程度で収まっています。
本日のADA指数も45.1%で前年末の44.5%から微増となりました。つまり、日経平均株価や大型株は散々な状況である一方、好業績・高成長の中小型株やテーマ株は上昇トレンドを維持できている銘柄が結構あるというのが現状です。ただ、多少勝負をかけている銘柄があるとはいえ個人的には44.5%というのは少し持ちすぎで、本当は今のような相場環境なら30%前後にとどめておくのが安全かなという気はしています。
<「強い銘柄」と「テーマ株」>
本日の相場は、さくらインターネット(3778)やインフォテリア(3853)がいずれもストップ高となるなどフィンテック関連銘柄が相変わらず強い動きでした。しかし、さすがに今からこれらフィンテック関連銘柄に飛び乗るのはかなりリスクが高いです。
上昇トレンドを維持している銘柄は相対的に今日の相場も値持ちが良かったので、引き続きこうした銘柄を投資候補としていくのがよいと思います。例えば、CYBERDYNE(7779)とか、セプテーニHD(4293)とかテクマトリックス(3762)のような動きをした株価チャートの銘柄を見つけてみてください。
日経平均株価に採用されているような大型株は、どうしても日経平均株価の動きに株価が引っ張られますが、そうでない中小型株であれば、業績や成長性に従った素直な株価形成が期待できます。もちろん、今後全体相場がさらに悪化すれば現在上昇トレンドの銘柄も下降トレンドに転じてしまうかもしれません。そうなれば一旦売却して守りを固める必要があります。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。