<今週の振り返り>
今週の日本株は金曜日こそ反発したものの、弱い動きが続き、1週間トータルでやや大きな下落となりました。
そして気になるのは、週末の欧米各国の株価が大きく下がったことと、円高がさらに進んだことです。これにより、シカゴ日経225先物は18680円と、週末の日経平均株価の終値19230円48銭から550円も下の水準にまで急落しました。
月曜日の朝はかなり安く始まりそうで、こういうパターンは非常にやりにくいです。
<来週の投資戦略>
日本株が朝からかなり安く始まりそうで、保有株も大きく下げて始まることが予想されるとき、私は以下のように行動することが良くあります。
・すでに前日時点で25日移動平均線(以下「移動平均線」)を割り込んでいる、もしくはほぼ移動平均線近辺の銘柄は寄り付きで売却
・前日時点で移動平均線より上に位置している銘柄は、午前中は静観。昼休みの時点で明確に移動平均線を割り込んだものは売却。一時移動平均線を割り込んだが戻して引けた銘柄には午前中の安値割れを逆指値とする売り注文を出す。
ここまで安く始まると、朝の寄り付き付近が安値になることが少なくありません。アメリカ株の急落にびっくりして寄り付きで全部投げ売ってしまった結果、寄り付きから急反発してしまえば目も当てられません。
でも、個別銘柄の株価をみると、数日前の時点ですでに25日移動平均線を明確に割り込み、下降トレンドに転じたものが非常に多くありました。下降トレンドに転じたら速やかに売却しておけば、週末時点でかなりポジションを軽くできていたはずです。
ポジションがパンパンに膨れ上がった状態で週明けを迎えれば、全部投げ売って楽になってしまいたいところですが、ポジションを軽くした状態なら、冷静に考えることができます。
冷静に考えるとは、いつもと同じ行動をとるということです。私なら、「下降トレンドに転じた保有株を売却する」という作業を、いつもと変わらず淡々と続けるだけです。
<下降トレンドの間は当面無理せず静観>
ここまで週明け大きく下がるようだと、多少のリバウンドも当然あるでしょうが、日経平均株価やTOPIX、そして多くの個別銘柄が下降トレンド真っ只中にありますから、下降トレンドが続く限りは無理せず静観するのがよいと思います。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。