日本株下落も明確な変化はまだー2021年6月17日の日本株

6月17日の日本株

最初に、6月18日の朝にお送りしましたメルマガは、ぜひご覧いただきたいと思います。今、ソフトバンクグループ株を買い推奨している人は株式投資の本質が分かっていないと思いますし、それに個人投資家が賛同するのも危ないと思っています。「割安かどうか」ではなく「なぜ割安なのに株価が売られ続けているのか」という視点を持つようにしてくださいね。

6月17日の日本株は、アメリカFOMCでの早期利上げ観測を嫌気してアメリカ株が下落した流れを受け、朝から売られる展開となりました。後場やや持ち直したものの、日経平均株価の終値は前日比272円68銭安の29018円33銭でした。
TOPIX、マザーズ指数も下落しました。

値上がり銘柄1312に対し値下がり銘柄2470と値下がり優勢、年初来高値更新銘柄は72、年初来安値更新銘柄は39でした。

ADA指数は63.2%となり、前日の72.6%から低下しました。保有株の一部売却と、新規空売り実行などによるものです。弱いものは売っていますが、まだ買い優勢には変化ありません。

これからは利上げを材料に株価が動く

個別銘柄をみると、全般下げる中、第一稀元素化学工業(4082)、ミダック(6564)、トレックス・セミコンダクター(6616)など高値更新となるものもありました。

また、年初来高値更新銘柄が72出ていて、年初来安値更新銘柄数より多いことからも、決して悲観すべき状況ではありません。

ただ、大きく売られる銘柄も少なくありませんでしたので、やはり何でも持っていればよいということにはならず強い銘柄についていく、という基本路線は維持すべきと思います。

さて、市場関係者の誰もが利上げの時期や、それに伴うマーケットへの影響について気にしています。そのため、金利の上昇や低下、利上げ実施時期の観測など、テーパリングに関する材料で株価が頻繁に動くことになりそうです。

そのとき、日々の変動に一喜一憂したり、あわてて動いたりすると、売った後株価が戻り、買い直したら再び売られる・・・というように、ドタバタした結果損失を増やすだけ、ということになりかねません。

例えば17日の下落で、下降トレンドに転じた銘柄もありましたが、私が保有している銘柄の多くは上昇トレンドを維持したままでした。ですから私は慌てて売ることはありませんでした。

多少株価が大きめに動いたとしても、株価のトレンドが変化するほどのものでなければ、慌てて売る必要はありません。日々の細かな株価変動に応じて売買を繰り返していると、まず利益が出ませんから、売買のタイミングを計るのはあくまでも大きな方向性を示す株価のトレンドに従うようにしましょう。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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