日本株大幅安で形勢一気に悪化ー2021年5月11日の日本株

5月11日の日本株

5月11日の日本株は、寄り付きから大きく下げて始まり、その後も下げ幅を大きく広げる展開となりました。日経平均株価の終値は前日比909円75銭安の28608円59銭と大幅安で終わりました。
TOPIX、マザーズ指数も大きく下落しました。

値上がり銘柄594に対し値下がり銘柄3316と全面安に近い展開、年初来高値更新銘柄は69、年初来安値更新銘柄は122でした。

ADA指数は32.2%となり、前日の59.0%から大きく低下しました。保有株の多くが25日移動平均線を割り込んだため、それらを売却したことによります。

今後も大幅安の頻度が増えるか

個別銘柄をみると、25日移動平均線をようやく超えてきた、という銘柄が今回の下げで帳消しになり、一気にチャートの形状も悪化してしまいました。もともと成長株、ハイテク株が軟調でしたが、それ以外の銘柄も含め、大部分が下降トレンドという形に戻りました。

ただ、景気敏感株、コモディティ関連株は比較的値を保つものが多く、今後の株価上昇の中心となるかどうかに注目していきたいと思います。

さてちょっとした注目を集めたのが、11日の下げを持ってしても、日銀のETF買いが入らなかった、ということです。これまでは、前場に1%ほどTOPIXが下がれば後場に日銀の買いが入るのが通常でしたので、例えばヘッジファンドなども空売りを仕掛けづらく、それが株価下落の抑止力として働いていました。

ところが11日は日経平均株価、TOPIXとも大きく下落していたにもかかわらず日銀が買ってこなかったのです。日銀は4月にも1度しかETF買いを行っていませんから、買い出動する要件が以前より厳しくなった可能性が高いと思われます。

そうすると、ヘッジファンドの売り仕掛けも頻繁に起こることが予想され、11日のような株価急落という場面も増えてくるのではないかと思います。ただでさえ日経平均株価は高値圏にありますし、アメリカ株はそれ以上に強く、いつ株価が天井をつけて大きな下げに転じてもおかしくありません。コモディティの価格上昇によるインフレ懸念もあります。

もちろん、いつ株価が大きく下落するかなど誰にも分かりませんから、株価が下落に転じたことが確認できた局面、つまり25日移動平均線を割り込んだ局面で保有株は一旦売るなりヘッジの空売りを入れておくなりして、それ以上の株価下落が生じてもダメージを受けないようにする、ということを習慣づけるのが重要です。

株価が少し大きく下がると喜んで買い向かう個人投資家も多いですが、バブル崩壊して本格的な下げ相場に突入すれば、そうした逆張りの買いは全て多額の含み損をかかえた塩漬け株になってしまいます。くれぐれも塩漬け株を抱えるような投資手法はしないようにしましょう。

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足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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