3月19日の日本株
週末3月19日の日本株は、後場に入り日銀のETF買い入れ方針の変更の報道が伝わると日経平均株価は急落したものの、個別株の多くには影響はありませんでした。日経平均株価の終値は前日比424円70銭安の29792円05銭でした。
TOPIXは小幅に上昇、マザーズ指数は下落しました。
値上がり銘柄2309に対し値下がり銘柄1567と値上がり優勢、昨年来高値更新銘柄は254、昨年来安値更新銘柄はゼロでした。
ADA指数は75.9%となり、前日の81.0%から低下しました。打診買いした成長株のうち早速伸び悩んで反落したものを売却したことなどによります。
大きな流れの変化につながるか
個別銘柄を見ると、オープンハウス(3288)、ベイカレント・コンサルティング(6532)、日立造船(7004)、日本郵船(9101)など高値更新となる銘柄も目立ちます。
全体的に見ても、多くの銘柄が上昇トレンドで、成長株も上昇トレンドに復帰するものが増えています。ただ、弱い銘柄の割合でいえば圧倒的に景気敏感株より成長株の方が多いです。
また、19日に発表された日本銀行のETF買い入れ方針の変更によれば、日経平均株価連動型のETFの購入をやめ、TOPIX連動型のETF一本に絞るとされました。19日の後場にファーストリテイリング(9983)など、日経平均株価の影響度が高い銘柄が大きく下落したのはこれが理由です。
日経平均株価が30000円を突破したとき、多くの個人投資家は「???」と感じたはずです。なぜなら、多くの個別銘柄は大して上昇していないのに、日経平均株価や、日経平均株価の影響度が高い一握りの個別株だけがスルスルと上昇していったからです。これは、NT倍率が一貫して上昇していたことからも分かります。
しかし今後は、日銀のETF買いがTOPI連動型のみになりますから、今までの動きの逆流が起こるのではないかと期待しています。日経平均株価の影響度が高い値がさ株は、個人投資家には高くて手が出せないため、それらがいくら上昇したところで無意味です。でもTOPIX連動型のETFでは、時価総額の大きい銘柄により多くの資金が入るため、例えば銀行株など個人投資家が買いやすい銘柄が恩恵を受けることになります。
実際、NT倍率はここ数週間で急激に低下しています。ここまでの急角度の下落は、リーマン・ショックやコロナ・ショックのような短期間の急落時を除いては見たことがありません。まさに地殻変動が起きつつあるのではないかという動きです。
NT倍率が低下傾向にあれば、個人投資家が利益を得やすい環境になります。個人的には2005年ごろの、景気敏感株や中低位株が軒並み大きく上昇したときと同じような感覚を持っています。
成長株中心の相場が7年以上続いた後ですから、もうしばらくは景気敏感株・割安株が相対的に優位な状態が続くのではないかと思っています。
まずは日銀のETF買いの方針変更がどのような影響を及ぼすかに注目したいです。
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