<今日の日本株>
7月29日の日本株は、朝からじりじりと値を下げる展開となりました。日経平均株価の終値は前日比260円27銭安の22397円11銭でした。
TOPIX、マザーズ指数も下落しました。
値上がり銘柄730に対して値下がり銘柄3082と全面安に近い展開、年初来高値更新銘柄は39、年初来安値更新銘柄は34でした。
ADA指数は29.7%となり、前日の38.6%から低下しました。保有株の一部を売却したほか、空売りをある程度実行しました。ロング・ショート戦略を継続中です。
<銘柄選択が命取りに>
個別銘柄をみると、神戸物産(3038)、メディアドゥ(3678)、ウエルシアホールディングス(3141)、図研(6947)、ヤオコー(8279)、ソフトバンクグループ(9984)など高値更新となる銘柄も少なくありませんでした。
しかし一方で、年初来安値更新銘柄が日に日に増加し、34銘柄に達しました。
このように、高値更新銘柄も安値更新銘柄も混在するという、まさに二極化相場の様相を見せています。
下降トレンドが続く弱い銘柄は、大部分が6月初旬ごろまで戻った後再び下げに転じていて、特に弱い銘柄については3月のコロナ・ショック時の安値を割り込んでいます。
コロナ・ショック時の株価の下げは尋常ではないスピードと下げ幅でした。このときの安値すら下回ってしまうというわけですから、想定以上に業績が悪化しているとみるのが自然です。
ところがそうした下降トレンドが続く弱い銘柄につき、コロナ・ショックで株価が割安になったとして、そうした銘柄を買い向かったり、損切りできず塩漬け株になっているケースが個人投資家の間で多いようです。
でもそれは完全に銘柄選択のミスといえるでしょう。株価が下がり続けて下降トレンドが続いているわけですから、さらに株価が将来下がる可能性が高いと考え、安易に手を出したり買い向かったりするのは危険すぎます。
また、株価が下げ止まらないのは、プロ投資家が見切り売りを出しているためである可能性も高いです。そんな銘柄を、ただ単に株価が大きく値下がりしたというだけの理由で、「割安になった」と勘違いして買っていては、勝てるわけがありません。
今保有してもよいのは、上昇トレンドが続く強い株だけです。下降トレンドが続く弱い株は、業績悪化を株価が織り込んでいるためである可能性が高く、割安でもなんでもないのです。
厳しいことを言うようですが、株価が下がり続けている弱い銘柄を保有し続けて塩漬け株になっている方は、これからも株式投資で成功することは難しいでしょう。株価が下がっている間は手を出すべきではなく、底打ちを確認してからで十分間に合います。
もし、足元で損失が膨らんでいるようであれば、銘柄選びの失敗だけでなく、速やかな損切りをしなかったことによる含み損拡大の失敗もからんでいるはずです。
我慢して持ち続けた結果、さらなる業績悪化で株価が大きく下落したら、もうなす術がなくなってしまいます。
株価が下げ続けている時は買わず、下げ止まってから買う。そして損切りを適時適切に行う・・・これだけのことで投資成果が見違えるようになるはずです。
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10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。