激動の2018年相場終了ー2018年12月28日の日本株と2019年の投資戦略

<12月28日の日本株>
2018年最終売買日の12月28日の日本株は、前日終値より小安い水準でのもみ合いとなり、日経平均株価はかろうじて20000円台を維持しました。終値は前日比62円85銭安の20014円77銭でした。
TOPIX、マザーズ指数も下落しました。

値上がり銘柄1688に対し値下がり銘柄2065とやや値下がり優勢、年初来高値更新銘柄は5、年初来安値更新銘柄は11でした。

ADA指数はマイナス0.7%となり、前日の3.6%から低下しました。わずかな保有株のうちのいくつかが25日移動平均線を割り込んだため売却したことなどによるものです。現在は、少量の買い持ちのみとなっています。(計算方法の特性上、買い持ちがある場合でも少量の場合は指数がマイナスとなります)

 

<2018年の日本株を振り返る>
個別銘柄をみると、年初来安値更新銘柄がほぼなくなったことから、一旦の下げ止まりとはなっています。しかし、90%以上の銘柄は25日移動平均線を下回っている状況です。
リバウンド狙いをしている人もいると思いますが、とにかく現状はまだ株価が下に動いてもおかしくない状況なので、私は無理をせず静観し、25日移動平均線を超えたもののみを買うようにしています。

さて、2018年末の日経平均株価、TOPIX、マザーズ指数を2017年末の数値と比べてみましょう。

●日経平均株価
2017年末22764円94銭→2018年末20014円77銭
下落率 12.1%

●TOPIX
2017年末1817.56→2018年末1494.09
下落率 17.8%

●マザーズ指数
2017年末1231.99→2018年末812.32
下落率34.0%

日経平均株価こそ下落率が12%に収まっていますが、日経平均株価は日本株の実態を表していません。

個人投資家の感覚では、マザーズ指数の下落率に近いのではないかと思います。

おそらくバイ・アンドホールドをしていた方は、まともな銘柄を選んで投資していたとしても、1年間で20%~30%ほどの損失になっているはずです。

また、信用取引を使って逆張りをして損切りをしなければ、全財産を失うというケースも生じていると思われます。

しかし、株価のトレンドに従って順張りをし、25日移動平均線を超えたら買って割ったら売る、ということを守っていれば、プラスになることは難しいもののマイナス10%程度で収まったのではないでしょうか。

今年は9月下旬に日経平均株価が27年ぶりの高値となってから10月に急落、それ以外に2月、12月にも急落するなど、極めて難しい年でした。
これだけ株価が下がっているのですから利益を得るのは物理的に極めて困難でありマイナスになるのは当たり前、どれだけ損失を小さくできたかが問われる年となりました。

でも、日経平均株価の月足チャートを見ていただくとわかるとおり、リーマンショックの時に比べたら下落率でいえば3分の1ほどの規模です。

今がリーマンショック前の2007年の年末に似ているという人も多いですし、ドイツ銀行の問題など爆弾もかかえています。

ネットでは「今が安く買える絶好のチャンス」とか「ここからは底打ちして上昇」と適当なことを言っている自称専門家・自称プロ投資家が数多くいますが、彼らはみな、12月の急落前から同じことを言っていました。

株価が下がるたびに「今が買い時」と言われても、個人投資家には資金に限りがありますからそのうち玉切れになってしまい、あとは株価がどんどん下がるのを多額の含み損をかかえた塩漬け株を持ちながら眺めていることしかできなくなります。

リーマンショック級の下落がくれば、日経平均株価は10000円を割れます。そうなっても生き残ることができなければ、上昇相場でいくら利益をあげることができても全く意味がありません。

生き残るためには、株価が値下がりしているときに逆張りで買っては絶対にいけないのです。もし、日経平均株価が10000円を割るようなことがあれば、信用取引でレバレッジを利かせている個人投資家の中には株式投資で全財産を失う人が続出し、行方不明になったり自殺する人も出てくるでしょう。それだけは絶対に避けなければなりません。

逆を言えば、株価が値下がりしているときには手を出さず、キャッシュを温存していれば生き残ることができます。そして本当の大底からの立ち上がりの非常に安いところを買うことができます。

もちろん、ここから株価が上昇して高値を更新する可能性もゼロではありません(極めて低いとは思いますが)。でも、もしそうなるのなら、実際に株価が上昇トレンドに転じて高値更新の可能性が高まってから買えばよいのです。

勝算の低いときに勝負するから個人投資家は大失敗するのです。今はどう考えても勝算が低い時期です。思えば日本株もアベノミクス相場が始まってから6年間上昇し、アメリカ株に至っては10年間上昇し続けました。バブル相場のあとは、バブルが崩壊するのは世の常です。今のタイミングで株を買うことは、バブル崩壊による株価下落の流れに逆らうようなものです。

相場のプロとか達人と呼ばれている人の中にも、株価が下げ続ける中を「今週が底値」とか「年末に向けて反発」と適当なコメントを連発し、今回の株価急落を見抜けなかったと語る人がいます。予想外とか、想定外というコメントを並べる人も数多くいます。

でも、株というのは予想外とか想定外の出来事が数多く生じるものなのです。著名な個人投資家ブロガーの中にも、リーマンショックを経験していない人がたくさんいます。彼らはアベノミクス相場の上昇相場の経験しかありませんから、バイアンドホールドで値下がりを続ける株を持ち続けたり、株価が値下がりする中を逆張りで買い向かったりしています。リーマンショックのような想定外を想定できていないからです。

今まではその戦略が功を奏しました。しかしリーマンショック級の大暴落がくれば、株を持っているだけで資産がみるみる溶けていくのです。

私は将来の株価を予想しても当たりませんし、予想に従って行動した結果予想が外れたらとんでもないことになりますので2019年の株価の予想はしません。
でも、国内外の景気がピークに達した可能性が極めて高いこと、日本で6年、アメリカで10年も株価が上昇した後であること、金融引き締めによりバブルが崩壊するのは過去にも繰り返されてきたことなどを踏まえると、引き続き2019年は厳しい相場環境が続くのではないかとみています。

逆に言えば、6年間の日本株上昇で、良い株の株価は10倍、20倍と大きく上昇してしまいました。これ以上の大きな利益はなかなか難しいところまできていました。
ここから株価が大きく下落し、大底を打つならば、良い株を再び安く買うチャンスが巡ってきます。ほとんどの個人投資家は、暴落をまともにくらい、大底を失意の中で迎えることになります。自分の持ち株の株価を見ることさえいやになるでしょう。でもそんな中、虎視眈々と底打ち後の大相場の始まりをキャッシュを抱えて待つことができれば、アベノミクス相場初期と同様、資産を一気に2倍、3倍と増やすことができるはずです。

株価が大きく上昇する前の大きな下げ、そうとらえれば、株価が大きく下落することは逆に歓迎すべきことです。株価下落で苦しむのではなく、株価下落をワクワクして過ごせる・・・そんな個人投資家こそが株式投資で成功できます。そのためには、下げ相場で大量の株を抱えてはいけないのです。たったこれができるかどうかが成功する個人投資家と失敗する個人投資家の分かれ目であることにいち早く気づくことができた人から、勝ち組投資家に大きく近づくことができます。

 

2018年もブログをご覧いただきありがとうございました。評論家、アナリストではなく株式投資を実践する個人投資家として、2019年も有益な情報発信に努めてまいります。

どんなに波乱が起きようとも、共に守り抜き、来たるべき大相場を一緒に取りにいきましょう。
どうぞよいお年をお迎えください。

 

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足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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