個別銘柄の乱高下続くー2018年8月8日の日本株

<今日の日本株>
8月8日の日本株は、日経平均株価が一時22800円台まで上昇するものの引けにかけて下落し、マイナスに転じました。終値は前日比18銭43銭安の22644円31銭でした。
TOPIXも小幅下落となりましたが、マザーズ指数は大きめの上昇でした。

値上がり銘柄は2016、値下がり銘柄は1615とほぼ拮抗、年初来高値更新銘柄は36、年初来安値更新銘柄は66でした。

ADA指数は20.4%となり、前日の5.5%から上昇しました。25日移動平均線を超えた銘柄を買い直したほか、純粋な空売りをしている銘柄の多くが明確な反発をみせたため、買い戻しを進めたことによります。

 

<乱高下の予測は難しい>
個別銘柄をみると、ソフトバンクグループ(9984)やエレコム(6750)、福島工業(6420)など決算発表をきっかけに株価が急騰し、高値を更新するものが散見されました。

全般的には、相変わらず決算発表後の株価の乱高下が目立ちます。今回の決算発表で感じるのが、好決算の発表をしても株価が急落する銘柄や、決算内容がそこまで良くないように見えても株価が急騰する銘柄がかなり多いということです。

例えば、上で挙げたエレコムや福島工業の決算は、数字だけみればそれほど良いというものではありません。でも株価は急騰しているのです。

逆に、東海カーボン(5301)のように、絶好調の決算発表であっても、株価は大きく下落しています。

また今回は、決算発表前に上昇トレンドである銘柄が決算発表により急落したり、決算発表前に下降トレンドである銘柄が決算発表で急騰する、ということがよくあります。

私の投資手法では、上昇トレンドの銘柄を保有し、下降トレンドの銘柄は保有しませんので、このような株価の動きになるともうどうしようもありません。

明確な下降トレンドが続いている銘柄に対して純粋な空売りをしたものについても、決算発表により株価が急騰し、損切りを余儀なくされています。

つまり、上昇トレンドであるものを保有してもダメ、下降トレンドであるものを空売りしてもダメ、という、どうしようもない状況に陥っています。

かといって、下降トレンドの銘柄を保有し続けることは、多額の含み損をかかえることにつながりますので、決して推奨できるものではありません。

このような買ってもダメ、売ってもダメという状況では、「何もしない」のが最も有効です。とはいえ、これはいわば「結果論」の話であり、決算発表シーズンももうすぐ終わりますので、ポジションを抑制しつつ、新規買いについては決算発表が済んだ銘柄を中心に実行するつもりです。

昨日も個人投資家仲間と「今年は本当に難しい相場だ」と会話しました。無理をして損失を取り返そうとすると、ドツボにはまるのが今の状況です。
決算発表を終えて、明確な上昇トレンドになり、かつ移動平均線からのかい離が大きくないタイミングで買う、という作業を淡々と続けていくつもりです。

 

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足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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