全面安の展開に-2017年9月4日の日本株

<今日の日本株>
週明け9月4日の日本株は、前日の北朝鮮による大規模核実験を嫌気したこともあり、終日弱い動きでした。日経平均株価の終値は先週末比183円22銭安の19508円25銭でした。
TOPIXも下落、マザーズ指数に至っては約3%の急落となりました。

値上がり銘柄562に対し値下がり銘柄3120とほぼ全面安の展開でした。年初来高値更新銘柄は大きく減少して73、年初来安値更新銘柄は31でした。

今日のADA指数43.2%となり、先週末の71.0%から大きく低下しました。25日移動平均線を割り込んだ銘柄が相次いだためそれらを売却しただけでなく、保有銘柄の数量を落とす(例えば3000株のうち1000株売る)などして、守りを固めることにしました。

<個別銘柄のトレンドも相次ぎ悪化>
個別銘柄をみると、トラスト・テック(2154)、アルコニックス(3036)など強い銘柄もあるものの、スタートトゥデイ(3092)やアニコムホールディングス(8715)など、25日移動平均線を割り込む銘柄が相次ぎました。TOKYO BASE(3415)は3ヶ月続いていた日足ベースでの上昇トレンドがついに終焉しました。
さらには、メディカル・データ・ビジョン(3902)のように、25日移動平均線を超えて上昇トレンドに転じたと思ったら急落して25日移動平均線を大きく割り込む、という動きも散見されました。

先日北朝鮮がミサイルを発射したときは、朝方こそ弱かったもののそこから持ち直しました。しかし今日は終日弱い動きで、時間がたつにつれ株価が値下がりしていくものも目立ちました。

今日のこの動きからみて、当面の間は守りぎみのスタンスを取ることとしました。あまりADA指数が上昇しすぎないようにコントロールし、大きく利益を得ることより、大きな損失を被らないことを重視するようにします。

<25日移動平均線超えを待って買うようにすれば短期的な上昇に飛びつかずにすむ>
そーせいグループ(4565)は株価がずっと値下がりし、25日移動平均線の下での株価推移が続いています。これが9月1日になり急上昇し、25日移動平均線近くまで株価が戻りました。

株価チャートをみると底打ちしたような形になっていますが、25日移動平均線は超えていません。

こんなとき、私であれば25日移動平均線を超えていないことを理由に新規買いはしません。
結局、今日になり株価は再度大きく下落してしまいました。新規買いをしなくて正解だったわけです。

このそーせいグループの話は結果論のようなものですが、一般的に、株価が下降トレンドにあるときは、一時的に株価が反発しても、25日移動平均線を超えることができず反落することが多いです。

したがって、25日移動平均線を超えてくるということが、いままでの下降トレンドが終焉する可能性が高まるサインとなっているのです。だから、25日移動平均線を超えるのを待って買うという行為に意味が出てきます。

25日移動平均線の下に株価があるのに、底値からちょっと株価が上昇しただけで「底打ち」と思って新規買いするのを繰り返していると、その後の下落で手も足も出なくなりかねませんので十分に注意してください。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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