強い銘柄にしがみつく-2017年6月9日の日本株と今週の投資戦略

<6月9日の日本株>
週末6月9日の日本株は、後場やや伸び悩んだものの上昇しました。ソフトバンクグループ(9984)の急上昇もあり、日経平均株価の終値は前日比104円00銭高の20013円26銭と、再び20000円台を回復しました。
TOPIXも上昇したものの小幅にとどまりました。マザーズ指数は1%以上の上昇となっています。

値上がり銘柄1718に対し値下がり銘柄1702とほぼ拮抗、年初来高値更新銘柄はやや減少したものの100、年初来安値更新銘柄は少し増加して28でした。

9日のADA指数は70.7%となり、前日の72.1%からやや低下しました。日に日に25日移動平均線を割り込む銘柄が増加しているので、保有株の売却が少しずつ進んでいる状況です。
<強い銘柄と、弱ってきている銘柄と、ずっと弱い銘柄>
今の日本株は、大きく分けると3種類の銘柄があります。それは、「強い銘柄」「弱ってきている銘柄」、そして「ずっと弱い銘柄」です。

強い銘柄とは、RIZAPグループ(2928)、TOKYOBASE(3415)、古河電気工業(5801)、Hamee(3134)など、高値更新している銘柄です。オルトプラス(3672)など、好材料がでて急騰する銘柄もありますが、もともと上昇トレンドにありましたから、強い銘柄に含まれます。
このような銘柄は、私は保有を続けます。

弱ってきている銘柄とは、MonotaRO(3064)、アサヒインテック(7747)、ヨシムラ・フード・ホールディングス(2884)、ツルハホールディングス(3391)など、上昇を続けていたものの足元で上昇がストップし、下落に転じて25日移動平均線を割り込んだものです。こうした銘柄は、私であれば一旦売却するか、ヘッジの空売りをつけることで対処します。

ずっと弱い銘柄とは、25日移動平均線を割り込んだまま推移しているもので、ぐるなび(2440)、しまむら(8227)、テレビ東京ホールディングス(9413)のように年初来安値を更新しているものも少なくありません。
こうした銘柄は、ウォッチはしますが手は出しません。

そして、現在は、強い銘柄が日々減少し、弱ってきている銘柄が日々増加しているという状況です。そして、ずっと弱い銘柄が反発して上昇トレンドに移行するということはあまり見られません。

そのため、私は強い銘柄の保有は続け、弱ってきている銘柄は売却、売却で得た資金の一部を強い銘柄への新規買いや追加買いに充当している、という状況です。
ほんの少しですがADA指数が低下傾向にあるのは、そのためです。

現状、騰落レシオは104.7%まで順調に調整が進んでいます。個人的には、強い銘柄がそのまま上昇トレンドを維持している状況で他の銘柄がさらに調整し、騰落レシオが底打ちしてくれるのが最もベストシナリオです。
保有株が25日移動平均線を割れたら売却すればよいのでここからどうなってもよいのですが、一度売却したものを再度買い直すのも面倒なので、強い銘柄は強いままでいてほしい、というのが本音です。

私の利益+含み益は、トランプ相場スタート(昨年の11月中旬)以来の最高値からほんの少し(0.5%)だけ下にあるという状況で、かなり順調です。
もし、今の相場で含み損が増えているという状況であれば、弱い銘柄への投資がかさんでいる恐れがあります。弱い銘柄から強い銘柄へのシフトをお勧めします。

 

 

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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