アトラ(6029)の株価チャートでみる株価トレンド分析の優位性

私が日ごろ実践している「株価トレンド分析」は、簡単に言えば株価が25日移動平均線より上にあるか、下にあるかにより売買および保有の可否を判断するものです。
25日移動平均線を明確に割り込んだ場合、保有株は速やかに売却するのがルールです。

アトラ(6029)は、10月中旬~後半にかけて25日移動平均線より株価が上にありましたが、11月はじめに急落し、株価が25日移動平均線を明確に割り込みました。この時点で保有株を売却すれば、1100~1050円程度で売却できました。

その後アトラ株は25日移動平均線を下回る株価の動きが続き、そして今日(12月27日)に株価が急落、一時688円まで下落しました。

もし11月初めの急落後、中途半端なタイミングで買い戻していたら、今日の急落の影響ををもろに被った形になります。
また、11月初めの急落時にしっかりと売却できていなければ、買いタイミングにもよりますが、人によっては買値の50%近くの含み損を抱えてしまっていることになります。はっきり申し上げて、買値の50%の含み損が生じるような投資手法を続けていたら、いつまでたっても株式投資で資産を築くことはできません。

アトラ株は私も投資対象としている銘柄ですが、私は11月初めの急落の際に保有株を全て売却し、その後は一切手をつけていません。これだけで、アトラ株の保有を続けた投資家よりはるかに高いリターンを確保できているわけです。

もちろん、25日移動平均線を再度超えてきたら、再度買い直すかどうか考えればよいだけです。
また、底値買いが好きな方であれば、今日の安値688円を割り込んだら撤退とする条件で、25日移動平均線超えをまたずに買ってしまうという戦略もあります。

もちろん、株価トレンド分析により全てのケースがうまくいくわけではありません。売らずに保有を続けていれば、結果的に問題なかった、ということもあります。
でも、株式投資で絶対に避けなければならないのは「大きな損失」です。株価トレンド分析を用いたからこそ株価の大幅な下落による損失を未然に防ぐことができるケースはかなり多いのは事実です。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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