<今日の日本株>
先週末のアメリカ株大幅安を受け、日本株も大きく下落しました。日経平均株価の終値は先週末比292円84銭安の16672円92銭でした。TOPIX、マザーズ指数も大幅安で、マザーズ指数はそーせいグループ(4565)の急落も手伝い3%超の下落でした。
値上がり銘柄695に対して値下がり2767と、全面安に近い展開で、年初来高値9に対して年初来安値銘柄12と、わずかですが年初来安値銘柄の方が上回りました。
今日のADA指数は36.8%となり、先週末の59.4%から大きく低下しました。さらなる下げも十分あり得ると思い、積極的に持ち株を減らしました。先週末のNYダウの株価チャートの形は、まさに空売りの絶好のポイントとなっています。NYダウがそうであるならば、当然日本株も値下がりのリスクが高いと考えて守りを強化することにしました。
<本物の下げが来たらテクニカルなど一切通用しない>
今日の日本株の大幅下落を踏まえ、専門家の中には「ここからはリバウンドのチャンス」とアドバイスしている人もいますが、私に言わせれば「よくそんな無責任なことがいえるな」という感じです。
私が絶対に避けなければならないと思っているのは「大きな損失」です。そのためには株価が下落をはじめた初期段階(私なら25日移動平均線を割り込んだタイミング)で保有株を売却しておくことが大いに有効です。
はっきり申し上げて、今はリバウンドのチャンスでも何でもありません。逆に大幅下落の第一歩の可能性すらあります。NYダウのチャートはまさにそのような形をしています。NYダウが崩れたらよほど円安にならない限り日本株も崩れます。
本物の下げが来たら、日銀のETF買いも焼け石に水です。それをはるかに上回る量の売りが日本株に押し寄せます。
危ないと思ったら私のようにいったんポジションを軽くして、下げ止まって上昇に転じたら買い直せばよいのです。
リバウンドや押し目買いのチャンスとばかりに買いポジションを膨らませた結果、ここから大きな下落に巻き込まれたら目も当てられません。
今は勝負の時ではありません。こんなときに余計な動きをして大きな損失を出していては、本当のチャンスに乗ることができません。今は利益を目指すときではなく、損失を小さくして嵐が収まるのを待つときです。面白くない、儲からない相場が続きますが、それにじっと耐え抜いた投資家だけが、将来大きな成功を収めるのです。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。