<6月17日の日本株>
週末6月17日の日本株はアメリカ株の反発や為替レートのとりあえずの落ち着きから反発し、日経平均株価は前日比165円52銭高の15599円66銭で引けました。ただ、一時300円以上値上がりしていたものの次第に上値が重くなっていました。マザーズ指数に至っては、朝方には4%近く上昇したものの買いが続かず、大引けでは前日比マイナスに転落しています。個別銘柄の騰落状況をみても、3分の2が上昇に対し、下落も3分の1あり、底打ちとはいえない動きでした。
今日のADA指数はマイナス27.1%と、前日と同水準でした。多少銘柄入れ替えがあるものの、空売りの方が多いロング・ショート戦略を続けています。
空売りの方が多いですから、今日のような反発局面では損失(利益の減少)となりますが、思っていた以上に小幅な損失で済んでいます。個別銘柄の反発力はかなり弱かったということがいえます。
<日々上昇トレンドが減少していく相場>
私が日々ウォッチしている400銘柄のうち、明確な上昇トレンドを維持できているのは数%ほどしかありません。まだ強い動きが続いているのは、例えばツルハホールディングス(3391)、エニグモ(3665)、アインホールディングス(9627)、サンドラッグ(9989)などです。寿スピリッツ(2222)も上昇トレンドですが、やや頭打ちになってきた感があります。ハーツユナイテッドグループ(3676)は今にも下降トレンドに転じそうな形ですし、セプテーニ・ホールディングス(4293)は明確に25日移動平均線を下回ってしまいました。
ただ、例えば昨日や今日になって25日移動平均線を割り込んだような銘柄は、相対的に強い銘柄です。今まで25日移動平均線超えを維持できていたわけですから。
したがって、今のところ本格的な反発局面は想定していませんが、仮にここから日本株が反発局面に向かった場合は、直近に25日移動平均線を割り込んだ銘柄から真っ先に再び25日移動平均線超えとなるはずです。そうなれば再度買いを入れていくのがセオリーです。私は2月12日に安値を付けてからの反発局面では、真っ先に25日移動平均線を回復した銘柄から順次新規買いを行っていった結果、それなりの成果を上げることができました。今回も同じ方法が通用すると思っています。
来週はイギリスのEU離脱か残留かを決める国民投票がありますが、私自身はあまり気にしていません。仮にEU残留を好感して株価が上昇したなら、その時点で適切な行動(25日移動平均線超えの銘柄を買い、25日移動平均線を超えた空売りは買い戻しをする)を実行するだけですから。
株価の下落というのは、時に大きく行き過ぎることがあります。そうなると、個別銘柄のファンダメンタルとか好業績などというものは関係なく大きく下がります。どんなに「良い銘柄」だと自分自身が思っていても、株価が下降トレンドになったなら一旦売却して相場が落ち着くのを待つ、これが株式市場でいつまでも生き残るためには必要なことです。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。