<5月20日の日本株>
週末5月20日の日本株は上昇し、日経平均株価の終値は前日比89円69銭高の16736円35銭で引けました。マザーズ指数も小幅ながら2日続伸となり、ここからの復活を期待したいものです。
ADA指数は48.4%となり、前日の43.5%から上昇しました。下降トレンドのものをいくつか空売りしていたのですが、これらが最近になって反発しはじめてきたため、それらの一部を買い戻ししました。それと、上昇トレンド銘柄の新規買いや追加買いをした結果のADA指数上昇です。
<年初来高値・安値からみえてくる今の相場>
金曜日の相場も、個別銘柄でみると上昇2:下落1という割合でした。また、年初来高値81に対し、安値も26あり、全面高の相場には決してなっていない点には注意しなければなりません。つまり、銘柄選択を誤ると、簡単に損をしてしまうのが今の日本株だということです。
結局、強いものは上がり、弱いものは下がるという二極化相場がずっと続いているのが現実です。年初来安値更新銘柄を新規買いするなどというのは論外ですが、下降トレンドの銘柄を「割安だから」と新規買いしても、一向に株価が上がらない可能性も高いのです。素直に上昇トレンドが続く強い銘柄についていくのが今の日本株での基本戦略です。
新興市場銘柄はまだ傷が修復されていない感もありますが、その間に東証1部銘柄に上昇トレンド転換銘柄が増えてきました。また、私のウォッチ銘柄でもベネフィット・ワン(2412)、アウトソーシング(2427)、MonotaRO(3064)、デジタルガレージ(4819)、サンフロンティア不動産(8934)など、年初来高値更新銘柄が増えています。年初来安値を更新しているJ.フロントリテイリング(3086)、三越伊勢丹ホールディングス(3099)、NEC(6701)の株価チャートと上記の年初来高値更新銘柄の株価チャートをよく見比べてみてください。全くチャートの形が異なることがよく分かるはずです。年初来安値更新銘柄や下降トレンドの銘柄に投資するくらいなら、年初来高値更新銘柄に乗った方がよほど成果が出ると思うのですがいかがでしょうか。
<イレギュラー買い銘柄のうち1つ撤退>
先日のブログで、25日移動平均線の上方かい離が10%を大きく超える銘柄の買いと、25日移動平均線を下回って下降トレンドにあるものの直近大きく下落した銘柄の買いを実行したことをお話ししました。しかし、残念ながら後者の買いのうち1銘柄が直近安値を割り込んで損切りとなりました。
やはり、急落した銘柄の底値狙いの買いは難しいです。もし「私はうまくいっているよ」という方がいらっしゃるなら、その手法で続けていただければよいですが、私はうまくいかないことも多いです。ですから、むやみやたらに底値買いをするのではなく、どうしても買っておきたい、というような優先順位の高い銘柄のみを買うようにしています。そうすれば、失敗してもあきらめがつきますし、致命的な大損をすることもないからです。
思えば、1月中旬の下げで株価が大きく下がった銘柄を「今がチャンス」と大量に買い向かった結果、そこから2月中旬に向けてのさらなる下げで再起不能に近いダメージを受けた個人投資家の方も少なくなかったと思います。底値狙いのつもりが、さらにそこから半値以下になっても全くおかしくないのが相場の世界ですから、損切り撤退のポイントだけはしっかり決めたうえで実行することを強くお勧めします。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。