<今日の日本株>
5月18日の日本株は伸び悩みの動きで、日経平均株価は前日比8円11銭安の16644円69銭で引けました。一方、昨日下げ止まったかにみえたマザーズ指数は一昨日に続き急落、8%近くの下げとなりました。
今日は1-3月期のGDPが発表され、大方のマイナス成長をよそにまさかのプラス成長でした。ただ、今の日本株は金融相場ですから、足元の景気はあまり株価に影響ないと思われます。
今日のADA指数は前日の44.7%から少し下がって43.8%でした。しかしその中身は、東証1部銘柄で強い動きの銘柄を買い、急落した新興市場銘柄を売るというかなり激しい動きでした。
<直近安値割れでしっかりと保有株を売却>
マザーズ指数は今日の急落をもって、明確に25日移動平均線を割り込んでおり、調整局面入りが濃厚となりました。また、マザーズ指数に最も影響を及ぼすそーせいグループ(4565)も急落し、25日移動平均線を明確に割り込みました。
マザーズ指数が下がるからそーせいグループ株が下がるのか、それともそーせいグループ株が下がるからマザーズ指数が下がるのか、これは卵が先かニワトリが先かといったという話と同じで、実際のところは分かりませんが、少なくとも「マザーズ指数の急落=そーせいグループ株の急落」であることは確かです。
私自身、今日のマザーズ指数急落により、利益(含み益含む)が大きく減少し、結構へこんでいますが、一昨日の急落時に25日移動平均線を明確に割り込まずに難を逃れていた銘柄の多くが、昨日の安値を大きく割り込みました。私は、昨日にブログで書いた通り、あらかじめ昨日の安値に逆指値の売り注文を出していましたが、これがことごとく執行されました。含み益を大きく減らした状態で売ることになったのは気分が良くないですが、直近安値割れでルール通り保有株を売却したことで、これ以上の下落があっても利益減少(ないし損失拡大)の心配はなくなりました。
<ファンダメンタルに関係なく下がるときはとことん下がる>
今回のマザーズ指数および新興市場銘柄急落のようなことが起きた場合、個人投資家にありがちなのが、「ファンダメンタルの面では何も変化がないからそのまま持ち続けよう」という判断をすることです。
しかし、リーマンショック時の理不尽な下落を身を持って経験されている方はお分かりかと思いますが、株価というものは例えファンダメンタルの面で何も変化がなくとも、高値から2分の1、3分の1、4分の1というように大きく下がってしまうことが珍しくないのです。
例えば、そーせいグループ(4565)の直近安値は20600円であり、直近安値割れで売りとする逆指値注文を出していれば、直近安値より少し下の価格(例えば20500円)で売却できています。これに対し、今日のそーせいグループの終値は17990円ですから、100株投資した場合で考えても、直近安値割れで売却したかどうかで、今日だけで25万円も損益(含み損益含む)に差が生じているのです。そして、明日以降もし株価がさらに下がったとしたら、損益の差はますます拡大していきます。
特に新興市場銘柄は上げも下げも大きくなりがちなので、ファンダメンタルがどうであれ、25日移動平均線を割り込んだら売却ないし損切りしておくことが、損失拡大を回避するためにとても重要なのです。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。