<今日の日本株>
3月2日の日本株は、前日のアメリカ株の大幅高や為替レートの円安を好感して大幅高となりました。日経平均株価は前日比661円04銭高の16746円55銭となり、25日移動平均線を久しぶりに超えてきました。
これに伴い個別銘柄にも25日移動平均線を超えたものが多く出現したことから、ADA指数も49.3%(前日は40.1%)と大きく上昇しました。
今日のように、1日中上がりっぱなしで調整らしい調整がないときは、ヘッジファンドの買い戻しが終日入っていることが多いものです。今年に入ってからの日本株急落の大きな原因はヘッジファンドの売りによるものですから、これが本格的に買戻しに転じれば、それだけで日本株が大きく反発します。
<日経平均株価が25日移動平均線を継続的に上回れるかがカギ>
日経平均株価が25日移動平均線を超えたことで、日本株全体が上昇に転じるための第一段階はクリアしました。しかし、これだけではまだ万全ではありません。25日移動平均線自体はまだ上向きに転じてないからです。実際、2月1日に日経平均株価が25日移動平均線を上回ったときも、移動平均線が下向きだったため、わずか2日で再度25日移動平均線を割り込み、そこから大きく下落してしまいました。
とはいえ、2月1日のときは明らかに移動平均線が下向きでしたが本日は25日移動平均線がほぼ横ばいであり、本日の方が良い形で25日移動平均線を超えてきています。
日経平均株価のチャートの形だけでいえば、再度25日移動平均線割れで損切りとするのであれば、私なら本日を持って買い転換と判断します。
<日経平均株価のみが強い展開も考慮すべき>
今日の日経平均株価とTOPIXの上昇率を比べると、日経平均株価が4.11%、TOPIXが3.75%と、日経平均株価の上昇率が上回っています。先物主導で株価が上昇するときは、日経平均株価の方が上昇率が高くなります。先物の売買は大部分がTOPIX先物ではなく日経平均先物だからです。
もし、今後ヘッジファンドの買戻しが進展し、株価が上昇する局面が到来した場合、注意しなければならないのが「日経平均株価ばかり上昇して個別銘柄は上昇しない」というケースです。日経平均先物に買いが入ることで、日経平均株価の構成銘柄に資金が流入するもののそれ以外の銘柄には資金が流入しない状況です。
これへの対処方法として考えられるのは、日経平均株価採用銘柄のうち寄与率の高い銘柄(ファーストリテイリング・ソフトバンク・KDDI・ファナックなど)を買う、日経平均連動型のETFを買う、日経平均先物や日経平均コールオプションを買う、といったところです。私ならETF買いや先物買いで対処します。
日本政府が株価を気にするとき、それは「日経平均株価」です。もし政府が何らかの理由で株価を上げたいなら日経平均株価を上げようと考えます。そうなったとき、私たち個人投資家も株価上昇の恩恵を受けられるようにしておきたいものです。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。