<今日の日本株>
1月5日の日経平均株価は、一時反発する局面もあったものの結局押し戻され、前日比76円98銭安の18374円ちょうどで引けました。
一方、続落する日経平均株価を尻目に好調が続いたのが新興市場銘柄で、マザーズ指数は本日も1%以上上昇しました。値上がり率上位銘柄をみても新興市場銘柄がズラッと並び、個人投資家としては案外悪くない一日だったのではないでしょうか。
<今日のADA指数低下の理由>
今日のADA指数は39.2%となり、前日の45.1%より低下しました。これは、好業績で上昇トレンドが続いていた銘柄のいくつかが25日移動平均線を明確に割り込んだため売却ないしツナギ売りをつけたこと、フィンテック関連銘柄はじめ、短期間に急騰したいくつかの銘柄について保有株の一部を売却したことが主な要因です。さすがに短期間に数倍になったような銘柄は、例え上昇トレンドが継続しているとしても保有株の一部は利食いしておくべきだと思います。新興市場銘柄のお祭り騒ぎがいつまでも続くとは思えませんから、急騰銘柄については上昇の度に少しずつ利益確定売りをしていくことをお勧めします。
<新興市場銘柄への飛び乗りは慎重に>
今日はラクーン(3031)がストップ高になりましたが、売買高がなんと4000万株を超え、全市場で売買高ランキング3位に躍り出ています。このようなケースは、株価が上昇を続けて投資家の資金の回転が効いているうちは問題ないのですが、ひとたび下落に転じると、高値で約定した大量の買いが取り残されてしまいます。するとその大量の買いはシコリ玉となって、その後の株価上昇の阻害要因となるのです。急騰銘柄の天井はある日突然やってきます。ここからの飛び乗りは「高値掴み」+「シコリ玉発生で長期塩漬け」のダブルパンチを食らいかねない点、十分注意してください。
また、私はITbook(3742)を昨日(1月4日)に買いそびれてしまい、本日も高く寄り付いたため高値掴みを恐れて買いを見送りました。結局本日もストップ高まで上昇しましたが、ここまで短期間に大きく上昇して25日移動平均線からのかい離率が37%にも達してしまった今の状況で、この銘柄を新規に買おうとは思いません。
ラクーンもITbookもそうですが、場中に株価をチェックできるデイトレーダーなら話は別ですが、日中は仕事をしていて株価をチェックできない個人投資家であれば、ここからのタイミングの買いは非常にリスクが高いと思わなければなりません。下手をすると、買ったタイミングが天井で、その日だけで20%以上の含み損を抱える結果になりかねません。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。