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賃貸不動産による相続税節税が実を結ぶかどうかは出たとこ勝負?

賃貸アパートや賃貸マンション、貸家を建てて実際に賃貸した場合、土地は貸家建付地、建物は貸家として自用地、自用家屋より低く評価できます。これが相続税評価額を下げ、ひいては相続税対策になることはすでにご存知のことかと思います。
しかし、実際に相続が発生したときの状況によっては、貸家建付地および貸家ではなく、自用地および自用家屋として高い評価をしなければならない場合があります。それは、相続発生時に「実際に誰かに賃貸していたか」という点です。
アパートを建てて賃貸するとなぜ相続税評価額が下がるかと言えば、賃借人がいることにより自由に使用・処分することができなくなるからです。したがって、賃借人がいなければ、例えアパートを建てても相続税評価額を引き下げることはできないのです。

例えば10室のアパートがあり、相続発生時に5室が空室なら、アパートの敷地の50%は自用地で評価しなければなりませんし、建物の50%も自用家屋で評価することになります。なお、緩和措置として、空室の期間が一時的なものであるなどいくつかの要件を満たせば、空室部分も貸家建付地および貸家として評価してよいことにはなっています。
ただ、この「一時的」というのが非常にあいまいで、最終的には個々の事情を考慮した判断となるのですが、課税当局や国税不服審判所等での判断は、2年以上空室でもOKだったり、6ヶ月空室でダメだったりと、かなりバラバラな判断となっています。
ちなみに、戸建ての貸家の場合は上記のような緩和措置はなく、相続発生時に空室であれば自用地および自用家屋の高い評価額になってしまいますから注意してください。

今や空室率が20%近くに達している日本の不動産市場、何年にもわたって空室続きとか、全体の2~3割しか埋まっていない物件がゴロゴロしています。そんな物件は、相続税の節税効果が期待できないだけでなく売ろうにも安く買いたたかれてしまうでしょう。賃貸アパートを建てるなら、事前にしっかりとした市場調査を行い、この場所ならまず大丈夫、という確信を持ったうえで行うようにしてください。また物件によっては、空室率をゼロにして相続税の節税効果を享受するために、家賃は下がってしまうもののサブリースを検討する、という選択肢も考慮せざるを得ないかもしれません。