慌てる前にまずは現状把握を

さすがに一時期のピークに比べると過熱感は収まりましたが、相続税対策ブームが続いていることは間違いありません。各種メディアで取り上げられているのを目にすると、「うちも何か対策しなければ」とそわそわしてしまいがちです。
しかし、そわそわして慌てる前に、一番最初に行うべきなのは「現状把握」です。
法定相続人は何人なのか、それは親なのか、子なのか、孫なのか、兄弟なのか、また財産はどのくらいあって、そのうち不動産がどのくらいで金融資産がどのくらいで、その場合の相続税はいくらで・・・といったことがご自身で把握できていなければ、有効な対策など取りようがありません。
現に、現状を把握せず、業者に言われるままに明らかに不必要な相続税対策をしてしまう方は大勢います。

私は、財産が1億円程度で、そのうち金融資産が半分程度あるならば、相続税対策は必要ないと思っています。財産1億円で、相続人3人(配偶者と子2人)の場合の相続税総額は630万円です。金融資産で相続税が問題なく払えます。何かやるとしても生命保険加入程度で十分です。
それを、無理に相続税を圧縮しようとして、銀行借り入れで流動性の低い賃貸アパートを建てたりすると、財産の時価が下落してしまって逆効果です。分割しにくい不動産を新たに取得することで、遺産分割時に相続人の間で無用なトラブル・争いを引き起こす原因ともなります。そして、相続人は借金など相続したくありません。
相続税を下手にケチることが、税額圧縮効果をはるかに超える悪影響を及ぼしかねないことには十分に注意してください。