PERの使い方(2)なぜ商社株や不動産株のPERは低いのか

PERの使い方シリーズの第2弾です。第1弾からだいぶ日が開いてしまい、申し訳ございません。

色々な銘柄のPERをみると、業種によりPERの水準に偏りがあることが分かります。例えば、商社株や不動産株のPERは、非常に低くなっています。7~8倍にとどまっているものがゴロゴロしていて、それでいて足元の業績は結構好調です。
こうした銘柄を、初心者や初級者の方はつい買ってしまいがちですが、それではいつまでたっても株式投資で利益を得ることはできません。本当に割安なら、プロ投資家が買い上がり、適正な水準までPERは上昇するはずだからです。

では、なぜ商社株や不動産株のPERは低いのか、それは「将来業績が大きく変動する可能性が高いから」です。商社株であれば、商品市況に大きく業績が左右されますし、不動産株は不動産市況のよしあしで業績が大きく動きます。
つまり、足元で商社株や不動産株の業績が好調にもかかわらずPERが低いということは、多くの投資家はこれらの株の先行きが不透明で、業績が悪化するかもしれないと思っている表れなのです。

経験則上、利益が安定していて成長もしないが悪化もしないような銘柄のPERは10倍前後となります。このことから、PERは、市場参加者が現時点で予想している10年分の利益合計を10で割ったものと考えることもできます。
これを踏まえると、商社株や不動産株のPERが10倍を割り込んでいるのは、将来業績が大きく変動する可能性が高いため、今と同じような好業績は続かない、と判断されているからだといえます。

為替レートや商品市況、金利動向、不動産市況に業績が大きく左右される銘柄や、景気動向で業績が変動する銘柄(=景気敏感株)には、将来の業績を予想するのが困難なため、PERはなじみません。こうした銘柄はPERは無視してもよいくらいです。株価のトレンドに従って売買する方がはるかに良い結果をもたらします。PERを用いるのであれば、将来の業績をある程度見通すことのでき、景気の影響をあまり受けないような内需型の成長株や好業績銘柄・ディフェンシブ銘柄、例えば小売、卸売、製薬、食品、外食、サービス業などに対して用いるべきだと思います。