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てるみくらぶ破たんから考える「キャッシュ」の重要性

旅行会社「てるみくらぶ」が破たんしました。破たん時点で旅行中の2500人については、自力で日本に帰ってきてもらうしかないという非常に厳しい状況です。私はそれほど外国語が堪能ではありませんから、海外でホテルの手配から航空券の取得まで自力でしなさい、といわれたら、ちょっとしたパニック状態になってしまうかもしれません。

さて、てるみくらぶ破たんの原因は、経営状況の悪化には間違いありませんが、さらに原因を突き詰めれば、結局は「キャッシュがなくなった」という結論になります。

てるみくらぶに限らず、会社が破たんする原因の大部分は、「キャッシュが不足」することなのです。

上場企業でも、3年、5年と赤字を垂れ流しているところは少なくありませんし、債務超過の会社もあります。それでも倒産しないのは、「キャッシュが回っているから」なのです。

逆に、表面上損益が黒字であっても、キャッシュが足りなくなれば破たんしてしまいます。これを「黒字倒産」といいます。

株式投資で銘柄選びをする際、一義的には損益計算書をみて、売上や利益が伸びている会社、もしくは十分な利益を毎期獲得している会社から選ぶことになります。しかし、それだけでは「キャッシュ」の面からの検討ができていません。

キャッシュ面をみるには、例えば会社四季報の「現金同等物」の額が、売上や総資産、借入金に比べて少なすぎないか、そして「営業キャッシュ・フロー」がマイナスでないか、を主にチェックします。

現金同等物が少なければ、キャッシュ自体が会社の手元にないことになりますし、営業キャッシュ・フローがマイナスであれば、本業でキャッシュを獲得することができず、逆に減らしてしまっている状況を意味します。

成長著しい会社の場合、営業キャッシュ・フローが一時的にマイナスになることもありますし、リース会社など、営業キャッシュ・フローが恒常的にマイナスになる業態もあります。しかし一般的にみて、「現金同等物が少ない」「営業キャッシュ・フローがマイナス」というのは、キャッシュの面でみてあまりよくない兆候であることは確かです。

損益面で銘柄を選んだあとは、キャッシュの面からも検討をし、リスクが高いと思われる銘柄は投資対象から外したり、投資金額を控えめにするなどの対応をすることが望まれます。