ご質問の回答(13)

<ご質問>

毎回ブログでの有益な情報をご提供頂きまして、ありがとうございます。
この度一点質問がございまして、メールをさせて頂きました。私は、通常の株の運用に加え、企業型の確定拠出年金を運用しています。
現在は上昇トレンドのため、金融商品は全額、外国株式・国内株式による運用をしていますが、下降トレンドに入った際、債券などへのスイッチングのタイミングをいつにするのが適切だとお考えでしょうか?
具体的に、どの移動平均線を目印に売りを行うのが適切か、また確定拠出年金のスイッチングに1週間程かかるという問題もあり、リーマンのような大暴落が起きた際、移動平均線を割り込む前に前もって一部のスイッチングをした方が良いのか等、ご意見がありましたら教えて頂けますと幸いです。

<回答>
まず、確定拠出年金という制度は、「経済は長期的に見て右肩上がりに成長する」という考え方のもと、過去の実例からみて「長期分散投資をしていれば投資資産は順調に増えていく」という前提により実施されています。
つまり、確定拠出年金は「バイ・アンドホールド」ありきの制度設計になっています。

一方、私が実践する株価トレンド分析では、株価でも為替レートでも債券利回りでも同じですが、トレンドを重視しますから上昇トレンドで買い、下降トレンドで売り、というように臨機応変に売買を実行することになります。
ところが、上で申し上げたように確定拠出年金ではトレンドに従って売買をするという考え方が一切ありません。したがって、確定拠出年金において、トレンドに従ったタイムリーな売買は結構難しいとご理解ください。

スイッチングに1週間ほどかかるということでしたら、トレンド転換の判断に用いるチャートを日足ではなく週足とし、かつ13週移動平均線ではなく26週移動平均線でトレンドの判断をするようにすれば、1週間程度のタイムラグはそれほど運用成績に大きく響くことはないと思います。

また、リーマンクラスの大暴落が起きた際は、確定拠出年金においてタイムリーに、臨機応変に資産を移換することは制度設計上まず不可能と思っておいた方がよいです。繰り返しになりますが、確定拠出年金という制度は、例え途中で大暴落があったとしても、「バイ・アンドホールド」で全て報われるという考え方だからです。

大暴落に備えてあらかじめトレンド転換前にスイッチングをすることは悪くはないと思いますが、もし本当に大暴落が起こってしまった場合は、1日~2日でトレンドが転換してしまうと思いますから、「なす術無し」です。

私なら、週足チャートの26週移動平均線ベースでトレンドを見極めてスイッチングの判断をする、突如大暴落に襲われたときはどうしようもないのであきらめる、といったところです。
もし、先物やオプション取引をされるのであれば、大暴落の恐れがある場合、確定拠出年金での運用資産に見合ったヘッジを先物売りやプットオプションの買いなどで行うことも戦略として考えられます。